【レビュー】SteelSeries Arctis 5(2019 Edition)、ゲーミングヘッドセット

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SteelSeriesから発売しているRGB搭載のゲーミングヘッドセット「SteelSeries Arctis 5(2019 Edition)」を購入したので、レビューしてみたいと思います。以前からArctis 5はありましたが、今回レビューするのは、2019年に発売された新製品。

2019 Editionではいくつか改良が加えられた点があるのですが、この価格のヘッドセットとしては個人的におすすめしたい製品だったのでメモ。

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SteelSeries Arctis 5 2019 Edition レビュー

SteelSeries Arctis 5 2019 Editionは、2019年に発売されたゲーミングヘッドセット。以前からArctisシリーズのヘッドセットはありましたが、今回は改良が含まれた2019年発売版ということになります。レビューする製品はArctis 5ですが、実はArctis 3も7も2019 Editionが発売されています。

2019 Edition共通の改善点としては、

  1. イヤーパッドの厚みを(約2mm)増やしたことでより快適に
  2. ボリュームコントロールを小さく固くしたことでの誤操作防止
  3. バンドデザインの変更

だそうで、Arctis 4 2019 Edition 個別の大きな変更としては

  1. DTS Headphone: X v2.0に対応
  2. ロゴ部分のライト廃止

があります。音質面では旧モデルと比較して低域が強化されたとのことですが、旧モデルのArctis 5もソフトウェアアップデートを行えば低域が強化されるらしいです。

装着感とフィッティング

イヤーパッドは改良されて厚いので、長時間のストレスも感じません。オーバーイヤータイプなので、オンイヤー型のように耳をつぶすような感覚もなく、快適なヘッドフォンです。イヤーパッドがとにかく柔らかく、長時間装着していても疲れることがありませんでした。軽量であることも要因の1つかと思います。

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ただしイヤーパッド内部のスペースはそんなにないので、耳の大きな方は、内部で少し窮屈になる可能性はありそうです。例えばゼンハイザーのゲーミングヘッドセットは内部のスペースもかなり広く設計してある製品が多く、このあたりの装着感で好き嫌いは分かれるところかと思います。

Arctis 5 2019 Editionは、ヘッドバンドと頭の間に、調整可能なバンドがあります。若干伸縮性のあるものになっており、ここを縮めたり緩めたりすることで、横の締め付け度合いなどフィット感が変わります。

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この調整機構に関しては2つ感じるところがあり、まずはベストな位置で調整しようと思うと、頭部はバンドに触れます。AKGのエラスティックバンドなど頭部に当たるようなタイプの装着感が筆者個人的にあまり好きでないこともあって、少し気になりました。

ただしAKGのエラスティックバンドのようなタイプと違う部分は、Arctis 5 2019 Editionのバンドはそこまで伸縮しないので、頭部に触れる度合い、感覚はそんなに強くありません。またAKGの伸縮調整機構は使っていくとそれなりに緩んでくるのですが、Arctis 5のバンドはそもそもAKGのように高い伸縮性を持たせているわけではないので、長期間使って緩むことがなさそうな点もよさそうでした(こればかりは長期間使ってみないとなんともいえませんが、 採用されている素材を見る限りAKGぽくだらんと緩むことはおそらくない)。伸縮系ヘッドバンドでは、初めて気に入ったヘッドフォンです。

SteelSeriesブランドロゴが光らなくなった

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装着感などの改良に加えて、デザイン面で大きな変更が1つ。旧モデルでは「SteelSeries」のロゴ部分が光る仕様でしたが、今回のArctis 5 2019 Editionでは、ロゴが光らなくなりました。

理由は不明ですが、ロゴがイルミネーションで光ったほうがブランド認知の面では分かりやすいなと個人的には思っていたので、意外といえば意外な変更です。

音質とソフトウェア

2019 EditionのArctis 5は「DTS Headphone: X v2.0」をサポート。SteelSeriesによれば低域レンダリングと音の明瞭さが強化されているとのことで、サラウンド効果でゲームプレイ時も音で敵を見つけやすいなどのメリットも主張しています。簡単に言うとバーチャルサラウンドの音響技術ですね。

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ゲーム用のヘッドフォンとしては、個人的にバーチャルサラウンドなしでのハイエンドヘッドフォン(例えば現在使っているのはSennheiser HD700)もお気に入りなので「バーチャルサラウンド技術がつかえるかどうか」というのは個人的にはあまり問題でないのですが、ソフトウェア設定画面からバーチャル7.1chのON/OFFを切り替えてみると、確かに7.1chサラウンドをONにしておいたほうが臨場感があります。ゲームプレイ時に敵の位置を判別しやすいかはまた別問題なので、がっつりFPSで利用予定の方は店頭で試したほうがよいかもしれません。

ソフトウェアの利用はSteelSeries Engine 3を利用するのですが、DTS Headphon:X V2設定がOFFになっていると、重低音や会話設定などいくつかの設定も自動でOFFになります。個人的にArctis 5 2019 EditionではサラウンドONのほうが良かったので、基本ONで良いかなという気がしました。

7.1chサラウンド設定には「スタジオ」「ゲーム」「シネマ」があり、

  • スタジオ:スタジオ環境で7.1chスピーカーを聴いている状態をシミュレーション
  • ゲーム:正確さに重点を置いて、ゲームプレイ用に最適化
  • シネマ:大きい映画館で7.1chスピーカーで聴いている状態をシミュレーション

とそれぞれバーチャル音響効果が割り振られています。ライブレビューをONにしていくつか切り替えてみましたがびっくりするほど定位が変わったりということも感じなかったので、今のところゲーム用には素直に「ゲーム」設定をおすすめしたいところです。

ステレオのプロファイルも「初期設定」「狭い部屋」「広い部屋」の設定項目があります。これは(ヘッドフォン試聴において)どれくらいの部屋の大きさでスピーカーを聴いているかをシミュレーションするのですが、個人的にはバーチャルサラウンドの設定より、こちらのステレオ設定のほうが定位感覚が大幅に変わりました。ゲームプレイ時の敵の位置把握にも大きく影響したので、はじめにみておくとよいかと思います。

USB ChatMix Dial

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USB接続かつWindows or Macであれば「USB ChatMix Dial」が使えます。これはゲームプレイ時にゲームとボイスチャットの音量バランスをシームレスに調整する機能とハードウェア。ゲーム側をgameに、DisordなんかをChatに割り当てることで、簡単に音量が調節できる使い方できます。

Windows 10のデスクトップPCにつないで確認してみると「Arctis 5 Chat」と「Arctis 5 Game」で2つのオーディオ再生デバイスとして認識していました。ダイアル部分はギザ加工、また素材も手に触れる部分はラバーぽいものが採用されており、ダイアルの音量調節はだいぶ楽です。

Arctis 5 2019 Editionの良いところは、こういった機能はシンプルながらも、ハードウェアとしてアクセス・操作のし易い位置・形状で配置されており、かつシンプルな機能なのでハードウェア自体も大きくならず、机のスペースもほとんど占有しない点です。

ゲーミングPC用のUSBオーディオインターフェースやDAC/アンプ製品もたくさんありますが、ただただゲームを始めたいユーザーにとっては、必要な機能が揃っていて、すぐに使えるゲーミングヘッドセットがあればそれで良いといえば良いのです。その点Arctis 5 2019 Editionは不満を感じない製品です(ちなみにSteelSeriesからは、小型のUSB DAC/アンプも発売されています)。

USB, 3.5mm接続が使える

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Arctis 5 2019 Editionは、USB接続か3.5mmオーディオジャックの接続を選べます。USB to 3.5mmドングルが付属しているので、先端を切り替えるだけなので簡単。

これはスマートフォンでモバイルゲームをプレイする際に便利で、例えばiPhone XS Maxなんかでも(もちろんAndroidの3.5㎜ヘッドフォンジャックにさしても)使えました。

3.5mmオーディオジャック接続時は(給電の関係か)RGBは光らなかったり、本体USB接続で経由するUSB ChatMix Dialはが使えなかったりといくつか違いはありますが、ヘッドフォンから音も流れますし、マイク自体も使えています。

ゲーミングヘッドセットにはいくつかUSB接続のみのものがありますし、1本のケーブルで3又になっている製品はスマホ接続には明らかに邪魔だったりするので、付属ドングルで3.5mmオーディオジャックに対応するのは良いアイデアだと思います。

もちろんモバイル環境でのゲームは、スマホの本体サイズ自体が小さいですし、有線イヤホン・ヘッドフォンを利用することがどれだけユーザーにメリットがあるかを考えると、少し微妙なところもあります。最近はTWSのイヤホンなんかも遅延が少ない製品がいくつかあるので、カジュアルなゲームプレイならTWSの利便性のほうが勝るなというのが最近感じるところです。

とはいえ、Arctis 5 2019 Editionでこういった使い方ができるのは良いこと。1万円台で多彩な用途に対応し、ゲーミングヘッドフォンとしての音質もブームマイクの音質も良いので、不満が出にくいヘッドセットです。

ブームマイクの音質・使いやすさ

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ゲーミングヘッドセットがありがたい部分としては、もれなくマイクもついてくる部分、それから音量調節やマイクのON/OFFが本体から快適に行える部分です。

オーディオ鑑賞用にSennheiser HD700を使っているのでそのままゲームにも使おうと思っていたのですが、マイクは別に用意する必要があること、スタンドマイクやスタジオマイクをアームに取り付けるのはデスクの広さ的に制限があったので、特にそういったデスク環境に制限のある場合に、1つでこなせるArctis 5 2019 Editionは便利です。

マイクアームは可動域がありますしヘッドフォン本体に縮めて収納もできる(少し見えますが)ので、ゲーム以外の用途に使っているときも邪魔になりません。マイクのミュートも背面のボタンから簡単に切り替えできるので、位置的にアクセスもしやすく便利でした。ON/OFFでマイク先端のLEDが光ったり消えたりするのも分かりやすく(光っているときがマイクミュート)、単純な使いやすいという点でも個人的には高評価。

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ブームマイクの音質自体も1万円台で購入できるヘッドセットとしては十分過ぎるくらいで、双方向性マイクでクリア、ノイズキャンセリング性能も十分。Arctis 5を購入する前はワイヤレスヘッドセットも考えたのですが、色々調べたり聴いたりする限り無線製品のマイク性能がなかなか厳しいものだったので(もちろん良いものもあると思いますが)、有線のArctis 5を選んだという理由もあります。

(マイクテスト)

ノイズ除去も十分強力で、マイク音量が最大だとLogicool G Pro(Romer-G タクタイル)のタイプ音やRazer Deathadderのマウスクリック音は少し聞こえますが、それでもボイスチャットでのプレイ、ゲーム配信を邪魔するようなレベルではないので安心して良いと思います。装着感も快適ですし、ストリーミング用にもおすすめできるかと。

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Arctis 5 2019 Editionはゲーミングヘッドセットとしては良い

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ゲーミングブランドから多くのヘッドセットが発売されている中、筆者個人としてSteelSeriesのヘッドフォンは音質の良いブランドとして認識していましたが、今回のArctis 5 2019 Editionも価格に対しての音質・マイクともに満足できる内容でした。

特に価格を抑えながらの音質の良さと、機能へのアクセスのしやすさは秀逸で、ゲーミングヘッドセットとしておさえて欲しい筆者のチェックリストにはすべてチェックが入ります。見た目もすっきりしていて、初めてのゲーミングギアの一員としては、個人的におすすめしたい製品です。

少し前まではSennheiserのHi-Fi向けハイエンドヘッドフォンなどとマイクを別に揃えるのが単純な音質面ではおすすめな感覚もあったのですが、改めて考えるとハイエンドヘッドフォンは所謂ドライブするのにそれなりのDAC/アンプが必要だったりしますし、ただゲームを快適にプレイしたい人に「10万円のヘッドフォンと10万円のDAC/アンプがおすすめします。マイク別」というのも一般的な感覚からすればおかしな話であって。普通の視点でみれば「1万円台で快適で音質も良いヘッドセット」と言われると、SteelSeries Arctis 5 2019 Editionやキングストン HyperXシリーズあたりでしょうか。