ゲーミング用製品を開発するSteelSeriesブランドから「APEX PRO」シリーズのキーボードがCOMPUTEX 2019で発表。これまでのメカニカルキーボードとは異なるOmniPointスイッチを搭載しており、アクチュエーションポイントをキーごとに変更できる初のメカニカルキーボードです。
製品はフルサイズのAPEX PROと、テンキーレスのAPEX PRO TKLが登場予定。昨今の高速スイッチの流れに乗った面白い製品となっているようなので、少しメモしておきます。
アクチュエーションポイントを調整可能なOmniPointスイッチ
APEX PROシリーズのキーボードは、メカニカルスイッチに「OmniPointスイッチ(オムニポイントスイッチ)」を搭載しています。このスイッチはアクチュエーションポイントの変更機能を世界初搭載している点が面白いところ。
変更機能に対応したキーは、OmniPointスイッチごとにマグネットが内蔵されており、ホールセンサーによってキースイッチの沈み込みを読み取り。この構造によって、対応したキーのアクチュエーションポイントを正確に読み取れるようになっているそうです。
OminiPointスイッチを搭載したキーはSteelSeries Engineのソフトウェアから各キーのアクチュエーションポイントを変更可能で、キーごとに変更できるのも新しいです。
OmniPointスイッチはアクチュエーションポイントを0.4mm – 3.6mm間で調整可能で、Cherry MX Speedスイッチとの比較も掲載されています。
一般的なメカニカルスイッチとの比較では、最速設定で8倍高速な反応速度、5倍高速なアクチュエーションを主張。アクチュエーションポイントの速さについては説明した通りですが、内蔵センサーによって0.7msと反応速度を高速化している点にも注目。
また通常のメカニカルスイッチとは違い、センサーで読み取るため物理コンタクトがなく、スイッチの耐久性はキープレス1億回を実現。一般的なメカニカルスイッチ搭載キーの耐久性は5,000万回だったりするので、新構造によって耐久性も高めているようです(1億回は公表値であって、実際の耐久性はもっと高いらしい)。
(作動力は45cN、今回APEX PROシリーズに搭載されるスイッチはリニアとのことなので、押した感触はCherry MX赤軸に近い可能性が。OmniPointスイッチ搭載キーは、メイン領域に限定されている)
最近のゲーミング用メカニカルキーボードはアクチュエーションポイントを浅くしてより高速な反応速度で使えるキースイッチが各社から登場していますが、新構造のSteelSeries OmniPointスイッチが業界にどのような影響を与えるのかは少し気になるところ。
ちなみに今回のAPEX PROシリーズキーボードには右上にOLEDスマートディスプレイが内蔵され、一部設定を確認・変更したり、様々な表示ができるようになっています。
OmniPointスイッチを搭載したキーボードは、フルサイズの「APEX PRO」と、テンキーレスの「APEX PRO TKL」が用意され、前者が209ドル、後者が189.99ドルを予定しています。