【レビュー】SONY XBA-N3 を試す。KIMBER KABLEバランス出力も

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DAPとしてSONY NW-Z300を購入して2018年を乗り切るメイン・イヤホンを探しているのですが、SONY製品にはソニー製品を、ということで「SONY XBA-N3」を購入したのでレビューしてみます。

こちらのイヤホンは2016年後半に発売されたハイブリッド型・2WAYの構成になっており、カナル型のイヤホンです。ソニー風にいうと「密閉型インナーイヤーレシーバー」ですね、

購入した理由はいくつかあるのですが、ハイブリッド型のイヤホンが割と好きで、またMMCX端子(と言って良いかは微妙ですが)を採用しておりリケーブルOK、かつSONYからバランス出力用ケーブルなどが提供されており、さらにSHUREがけが必要ないイヤホンで常時利用には楽かなという思いで購入しました。

購入前に他の方のレビューをみていた段階では意外とバランスの良い構成を想像していましたが、結果的にやはり低域が先に来る音傾向で、ただし高域のBAが華やかさを感じる部分もあって。

またそのドライバー構成からか中域~高域のつなぎ目も少し気になる部分があるので、そのあたりもレビューしていきたいと思います。

購入:SONY XBA-N3

SONY XBA-N3 レビュー

今回レビューするのはSONYの「XBA-N3」です。2016年に発売され、最近では最初から4.4mm5極バランス接続ケーブルが付属した「XBA-N3BP」なんて製品もありますね。

HDハイブリッドシステムといって、LCP小型・高感度のダイナミックドライバーユニットと、HDスーパートゥイーターを採用しています。また「サウンドスペースコントロール」といって、振動板背面の通気をコントロールし、広がりのある音場を実現したそうです。

またハウジング耳側にポートが設けられており、ここが通気孔となって低域の過渡特性を改善し、リズムを正確に再現するというのがソニーの謳い文句です。音漏れもそこそこするかなと思っていたのですが、これが意外にも少ないので好印象でした。なおトリプルコンフォートのイヤーピースが付属するので、これを利用するとさらに音漏れは少なくなります。

MMCX端子を採用しており、必要に応じてリケーブルも可能ですね。今回はSONY NW-ZX300からバランス出力用にKIMBER KABLE社協力の4.4mm5極ケーブル「MUC-M12SB1」も購入したので、試していきます。

音導菅には「真鍮(しんちゅう)」を利用し、強度を保ちながら内径を拡大することで伸びあるクリアな中高音を実現したとのこと。イヤーピースをつけていてもゴールドカラーの真鍮パーツが見えます。今回のXBA-N3もゴールドとブラックの組み合わせなので、デザインは無難ですが好きな方もいるのかな、多分。

付属のケーブルは「セレーションケーブル」を採用しており、縦線が入っており絡みにくい構造になっています。別売りで購入できるKIMBER KABLEの方は太いし取り回しも非常に悪いですが、付属ケーブルは良いですね。またこの付属ケーブルは銀コートのOFC線だそうです。

ちなみにですが、この付属ケーブルはグランド分離した4芯構成のケーブルを採用しているとのことで、アンバランス出力時も、左右のセパレーション改善、またクロストーク軽減に貢献するとのことです。今回利用するNW-ZX300も実は3.5mm端子のところでGND分離に対応しており、組み合わせでこういった効果が得られるようになっているのも、SONY製品で組み合わせるメリットのような気がします。

付属品はイヤホン本体他に数種類のイヤーピースも付いていますが、実はSONYの「トリプルコンフォート」を違うサイズで1つずつ付属しています。これは2種類の硬度のシリコンゴムに、独自のシリコンフォーム素材を組み合わせたもので、手触りも少し特殊。通常のイヤピよりも遮音性が高まるので、低域が逃げていかない部分が好きな人は好きかなという印象です。また装着感も良いです。

キャリングケースも付属しますね。まあ流石にこの価格帯なら、付属するでしょうね。大きめのキャリングケースなので扱いやすいですが、KIMBER社のリケーブル用ケーブルなども用意していることを考えると、もう少し大きくても良いと思います。それくらいKIMBERの4.4mm5極用ケーブルは扱い辛いので。

…と、とりあえずの概要はこんな感じです。ハイブリッド型・カナル型のイヤホンで、SONYっぽいデザイン、SHURE掛けでもそうでなくても装着できるのも良いですし、トリプルコンフォートイヤーピースも好きな方には付属している部分も嬉しいかもしれません。

3.5mmアンバランス出力

NW-ZX300で推奨されているエージング(一応)も終わったところで、XBA-N3をまずはアンバランス出力で聴いてみます。

すでに他の方の購入レビューをいくつか見ており思ったよりバランスのとれたフラットなのかなと購入前には思っていたのですが、やはりSONYのドンシャリ傾向と言った感じです。

まずは低域を感じます。ここはいつもSONY製品に感じていた広めにぼやっとというところは、XBA-N3の場合は良い塩梅に引き締まっており、子気味良いアタック感でバスドラムの音が耳に入ってくる印象です。ただし高級機のような繊細さはなく有機的なサウンドには感じません。

低域に予想していた量感がそこまでない(想像よりも、ってことです。全くフラットではありません)こともあってか、中域も押し殺されずにある程度聴けるように感じますね。ボーカル曲もある程度聴きやすいのですが、楽器隊の演出もしっかり入ってくるところは個人的に良いと思います。ここはSONYの良さかなと。

高域のBA担当がとても分かりやすい音作りになっており、出ているが、かなりシャリつきますね。女性ボーカルの声も、ある帯域まで行くとかなり刺してくる印象です。低域がそれなりに主張してくるイヤホンですが、そこに華やかさを与えているような感覚ではあります。

…あまりにDDとBAの担当が分かる音作りなのでハイブリッド型の面白さや分離の良さを感じると同時に、これだけ上の音がある部分からシャリついて分かりやすくBAぽく鳴りすぎるので、中域から高域にかけてのスムーズさには欠けますし、聴いていて少し疲れるかな。

この中高のつなぎ目がすごく不自然に感じる曲もいくつかあって、時々XBA-N3を床に投げつけたくなる時があります。…もちろんそんなことはしませんが、曲目によってはその音傾向から長時間は辛いなあ…という気持ちになる方は多いかもしれません。がっちりハマるバンドサウンドなんかもあるのですが、ひどいものはひどくてやっぱり床に投げたくなります。

SONYの中では意外にも子気味良い低域と、高域のBA感が合わさって、非常に元気の良いサウンドを芯から感じるイヤホンではあります。まさにハイブリッドという感じがしており、ただその振り幅が極端すぎて、低域ベースの鳴りに高域がシャンシャンとなってるだけの不自然に聴こえる部分や疲れる部分もあるかなあという印象。

トリプルコンフォートなど、イヤピについて

イヤーピースは「ハイブリッドイヤーピースがSS,S,M,L(各2)」、また「トリプルコンフォートイヤーピースS, M. L(各2)」が付属します。

トリプルコンフォートイヤーピースはちょうどフォーム系とシリコン系の間のような印象で、確かにその形状からフォーム系ほどこもる感じはないですが、遮音性を高めて特に低域を逃さず、かつ中高域もある程度シリコン的なところを残せるというか、そんな感じです。

個人的に良いと感じるのが、トリプルコンフォートの装着感のよさ。明らかにハイブリッドイヤーピースよりもずれる感触が無く、それでいてフォームタイプのそれよりも快適です。

ただしやはり少し低域に窮屈さを感じるところはあってですね、外で使うならトリプルコンフォートかなという感じがします。家では付属イヤピは使わず、Final Eタイプあたりに変更が個人的にはお気に入りです。

KIMBER KABLE (MUC-M12SB1) 4.4mm5極バランス出力

次に「MUC-M12SB1」という、MMCX- 4.4mm5極用のKIMBER共同開発バランス出力用ケーブルで、バランス接続の方も試してみます。

まず先に言わせてもらうと、このMUC-M12SB1は取り回しが最悪。ぶっといケーブルかつ重量もそこそこにあり、硬く、耳掛けの装着感も非常に悪いです。正直外で利用したいとは全く思わないので、ポータブルメインで利用しようと思っている方には全くオススメしません。

…肝心の音はというと、これはかなり良くなりました。バランス化というよりケーブル自体の部分かもしれませんが、厚みもあるのに奥行きも出たような印象です。これくらいの音像感だと頭上というか頭内でBAで高域がシャリついていても、全体としてバランスがとれた音の出方に感じます。

今回のリケーブルと4.4mm5極バランス接続で非常に音は気に入っているのですが、すでに言った通り「MUC-M12SB1は、取り回しが悪すぎる」という点が非常に残念でなりません。

特にXBA-N3はSHURE掛けが必要なしで耳に入れるだけで装着自体は快適なのですが、今回利用したKIMBERのMUC-M12SB1は重いので、私の耳からはズレ落ちてきます(そしてトリプルコンフォート・イヤーピースなら、少し改善します)。そして比較的ケーブルは太く、SHURE掛けが快適にはできないケーブルです。

惜しい、非常に惜しい組みわせです。

KIMBERのバランスケーブルさえ取り回しが良ければ…

今回はSHURE掛けなしのイヤホンを探していたのですが、XBA-N3と別売りキンバーケーブルのバランス出力が結構好きな音でした。

SONYブランド独特な低域広めの量感は無く、ある程度引き締まっていますし、キンバーケーブルバランス時は音像のバランスも少し良くなるような気がしていて、厚みも増した上にくっきりしますし、今まで利用してきたSONYイヤホンの中では、もしかすると一番好きかもしれないという印象です。

それだけに、KIMBER×SONYのMUC-M12SB1利用時における「取り回しの悪さ」は非常に残念で、もしこれが柔らかくて外にも持ち出したいケーブルであれば、これが2018年を乗り切るメインイヤホンの1つとして活躍したかもしれないのですが、ここまで悪いと流石にちょっと、という気持ちでいます。「XBA-N3BP」にはバランス用ケーブルが付属しますが、キンバーとの組み合わせで音はすごく好きというのはあって、多分別途購入して試すことはないだろうな、と。

もちろん個人の好みでSONYは…というところがありましたが、SONYブランドの中でXBA-N3に関しては個人的に好きな感触まで「あとちょっと」に一番近かったイヤホンのように思いますね。

【購入】