【レビュー】SONY WI-1000X。ノイキャン、音質、ワイヤレスの3拍子が揃ってる

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ソニーから発売しているワイヤレス・ANCの上位モデル「SONY WI-1000X」を購入したので、レビューしていきます。ネックバンド型でBluetooth、高音質と呼ばれる推しのLDAC、またaptXやaptX HDにも対応しており、一応ソニーのNCイヤホンの中では最上位クラスと言える位置付けの製品です。

1000番シリーズにはヘッドフォンもあり(完全ワイヤレスのWF-1000Xもありますがあちらは微妙)、この型番でアクティブノイズキャンセリングに対応したモデルはなかなかANCががっつり効いてくれるのが特徴で、SONYはANC分野でいうとBOSE同様業界最高峰の製品を出しているのは間違いないと思います。そして今回購入したSONY WI-1000Xも例外ではありません。

ANC性能を期待して購入したモデルでしたが、ワイヤレスイヤホンとしては音もかなり良い部類に入るかと思うので、そのあたりを少しメモしておきます。

SONY WI-1000X レビュー

SONY WI-1000Xは、ソニーブランドから発売されたワイヤレス・イヤホン。ネックバンド型でANC(アクティブノイズキャンセリング)機能を搭載しており、SONYのワイヤレスイヤホンとしては発売時点で最上位の価格設定で販売が開始しました。

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SONYのワイヤレス製品としてはMDR-1000X、WH-1000XM2、WH-1000XM3と世代の異なるANC機能付きヘッドフォンが発売されており、SONY WI-1000Xはモデル名をみてもわかる通りイヤホンのほうの高級モデルという位置付けです。

もちろん高級モデルといっても現在は3万円前後で購入できるようになっており、ノイズキャンセリング性能で評価の高いBOSE QC30も同じくらいの価格なので、現在のノイキャン2強の価格設定は、一番高いものでもこれくらいなのでしょう。IEMはブランドによって3万円台でもエントリーモデルとカテゴライズされることがあるので、性能の高いANCイヤホンがこの値段で買えてしまうと考えると安く感じてしまい変な気持ちです。

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Bluetooth接続に対応したワイヤレス・イヤホンで、NFCを利用してのペアリングにも対応しています。マイク内蔵でハンズフリー通話も可能となっており、ANCが強力な以外は一般的なネックバンド型のワイヤレスイヤホンです。

スマートフォンの音声アシスタント向けにハンズフリーでAppleのSiriに対応しており、また製品のソフトウェアアップデートによってGoogle Assistantの起動も可能になりました。個人的には音声操作のUIというのはまだまだ慣れない部分が多いのですが、ボイスアシスタントやスマートスピーカーがそこそこ普及してきたので、今後も対応製品は増えてくると思います。

ネックバンド部分に物理操作インターフェースが搭載されており、左側に電源ボタンや再生停止・音量調節のボタンが、右側にANCと外音取り込み(アンビエント)の切り替えボタンがあります。充電はmicroUSBポートから。フル充電までは約3.5時間で、再生時間はノイズキャンセリング機能をONの状態で最大10時間。終日十分使える電池持ちです。オーバーヘッドのヘッドフォンシリーズの方は電池持ちがもっと長いですが、SONY WI-1000Xのサイズ感を考えれば、個人的には十分かと思います。

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興味深いのはドライバーで、9mmダイナミックドライバーと、BAドライバーのハイブリッド構造です。バランスド・アーマチュアのほうにはXBA-N3/N1同様のドライバーが採用されているそうなのですが、ANC+ワイヤレスと考えると音質はめっぽう良いので驚きました。

ちなみにノイズキャンセリング用の集音マイクは前後に2つ搭載されているそうです。ドライバーと鼓膜の間の騒音とイヤホン外型の騒音をそれぞれ集音してICで処理して高精度にノイズを打ち消すらしいのですが、ワイヤレスイヤホンというサイズの限られた筐体に様々な技術が詰まっていると思うと、少し胸熱な気持ちです。

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(低域用のDDは、h.ear in NC(MDR-EX750NA)で採用している9mmドライバーユニットらしいです)

イヤーピース/イヤーチップにはSONYの「トリプルコンフォート」を付属。SONY独自開発のイヤーピースでSONY製品のいくつかに採用されていますが(イヤピ単体でも売っていますが)、個人的には積極的に利用したいと思うことは少ないかもしれません。少し短めで耳にステイしないことがたまにあるのが理由ですが、耳の外耳道は人によって違いますし、言ってしまえば根本的に人それぞれ聴覚も違うはずので、とりあえず試すほかありません。

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Bluetoothバージョンは4.1、最大通信距離(見通し距離)は約10mですが、最近流行の完全左右独立型のワイヤレスイヤホンとは違い一体型なので、接続の安定性も高く特に問題に感じたことはありません。遅延も動画をみるくらいであれば気になったことがありません。

コーデックはSBC、AAC、aptX、aptX HD、LDACをサポートしています。さすがにSONYワイヤレスイヤホンの上位モデルということで、LDACは対応していますね。最近の製品で高音質と呼ばれるコーデックはaptX、aptX HD、LDACあたりなので、これらの対応にも強いです。SONYが言うところの「ハイレゾ相当」をワイヤレスでも楽しめるとアピールする製品です。

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またアップスケーリングの「DSEE EX」にも対応しており、圧縮音源などを聴く場合も高音域を補完するので良い音で楽しめる、というのがSONYの主張ですが、こればかりは聴いて違いを確かめてみてください。SONY NW-ZX300で利用したときは変化を感じることができたので、良い変化かどうかは別にして、所謂「擬似ハイレゾ化」は興味深い技術だと思います。

「S-Master HX」も搭載しており、ハイレゾ音源の再生帯域におけるノイズ除去性能の改善により音質を向上させたそうです。S-Master HXというとソニーのDAPやDACアンプに搭載されるフルデジタルアンプとして有名ですが、今回のSONY WI-1000Xはワイヤレスイヤホンなので、どんな実装になっているのか気になります。

個人的には出先で使うことが多いですが、防水仕様ではないのでそこだけ注意しておくと良いかもしれません。

ANC(アクティブノイズキャンセリング)性能について

SONYの主張として「業界最高クラスのノイズキャンセリング性能」がありますが、嘘ではないと思います。個人的にはANC対応イヤホンとしては購入時点でベストな選択肢に感じます。高いノイズキャンセリング性能といえばBOSE QC30が数年前はNo.1だった気がしますが、イヤホン全体の完成度で考えると現在はSONY WI-1000Xの方が良いですね。

ANC性能自体はQC30に引けを取らず、SONY WI-1000Xのノイズキャンセリングは飛行機内でのノイズなど、低域騒音をピンポイントで消している感覚です。それに対してBOSE QC30は大まかにごっそりノイズを消しに行くタイプといいますか、どちらが良いというよりタイプが違います。逆に言うとWI-1000Xでは特定の音なんかはそこそこはっきり聞こえることがあるので、好みは分かれる気はします。

どちらもNC分野では最高峰で選ぶならどちらか2択になるとは思うのですが、 WI-1000Xをおすすめする理由として「多機能」が挙げられます。

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(上記以外にもたくさんの機能がいじれます)

BOSE QC30はANCありきでとにかくノイズを消してなんぼの印象なのですが、WI-1000Xは外音取り込みのアンビエントサウンドモード、外部ノイズに応じたフルオートAIノイズキャンセリング機能、Headphones ConnectアプリからDSEE EX機能を切り替えたり、その他機能もとにかくいじれる項目が非常に多いので、使い勝手が良いというか、使いどころがBOSE QC30よりも多いです。

SONY WI-1000XとMDR-1000Xが発売されてからは、NCヘッドフォン・イヤホンはSONYが一歩リードしているように思います。

ハイブリッドドライバーと音質

もう一つBOSE QC30との比較で強みなのが、単純な音質の良さです。9mm DD+BAのハイブリッドドライバーなのですが、ワイヤレス製品と考えると価格帯でトップクラスの音質です。Bluetooth接続でのノイズも少なく、2ドライバーのハイブリッドらしい分離の良さと分かりやすさで、単純な解像感と高域の出方はWI-1000Xのほうが好みですね。

ここでもQC30に関してはノイキャンありき、と感じる部分がほとんどなのですが、WI-1000XはノイズキャンセリングなしでもBluetoothイヤホンとしては十分楽しめるはずです。ネックバンドが邪魔であるとかケーブルのタッチノイズが少し気になるとか細かい部分ではいくつか不満もあるのですが、WI-1000Xが登場してからは、いよいよSONYが本気を出したなという気持ちでいます。

最近のSONY製品に思うところ

MDR-1000XとWI-1000Xが登場してからは、ANCカテゴリーでの本気度をひしひしと感じます。ヘッドフォンに関しては第三世代のWH-1000XM3も登場しますし、最近はかなり良い印象を持っています。

DAPもNW-ZX300でAK70 MKIIや同じような価格帯で戦える製品が出ましたし(長らくフルデジタルアンプというアプローチを継続しているのも面白いです)、手の出しやすい価格帯のMDR-1AM2も良かったですし、今後ヘッドフォンのMDR-Z7M2や、IEMのIER-M9/M7も登場します。

多くの製品が一新されてワイヤレスも製品を試す限りは好調に見えるので、今後発売予定の製品にも期待したいところです(特に左右独立型のWF-1000Xは、後継モデルでリベンジしてほしいです)。WI-1000Xはノイズキャンセリング対応のワイヤレスイヤホンとしてはトップクラスなので、ANCありで考えるなら個人的にはベスト製品の1つとしておすすめしておきます。

最近は家電量販店でも左右独立型のBluetoothイヤホン一色ですが、無線での接続性に関してはまだまだ一体型の製品にメリットがあると思いますし、WI-1000Xに関してはネックバンド型なので、小さなイヤホンのように落として壊したりなくしたりする心配が少ないのも良いところです(それでも個人的にはネックバンド型ではないほうが好きなのですが)。特にNCイヤホン・ヘッドフォンの上位モデルは安定しているなと思うので、今後もSONYのワイヤレス製品に関しては注目しておきたいと思います。