【レビュー】SONY WF-1000X ソニー初の”多機能”完全ワイヤレス・イヤホン

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最近増えてきた”TWS(True Wireless)”と呼ばれる、所謂左右独立型のワイヤレス・イヤホンですが、SONYから初登場の「WF-1000X」を購入したので、レビューしてみたいと思います。

このジャンルではAppleがAirPods、BOSEがスポーツタイプの製品を投入したりしていますが、SONY WF-1000Xはノイズキャンセリングや外音取り込み、NFCでの接続など「多機能」なイヤホンとなっているのが他の製品とは違うところです。接続にまだまだ問題ありなので左右独立型イヤホンはもう1年くらい待ったほうが良いかなという気持ちもあるのですが、ケーブル無しのメリットももちろんあるのでそのあたりもメモしておきます。

SONY WF-1000X レビュー

「WF-1000X」は、SONYから発売された左右完全独立側のワイヤレス・イヤホンです。SONYから発売された製品としてはこのWF-1000Xが初のTWSイヤホンで、現在はWF-SP700NやXperia Ear Duo(XEA20)も発売されていますが、SONYのTWS元祖はこのWF-1000X。

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WF-1000Xは左右独立型のBluetoothイヤホンの中でもかなり「多機能」な部類で、ANC(アクティブノイズキャンセリング/キャンセレーション)や外音取込、スマホアプリからの操作やNFCを利用しての簡単接続など、他社の製品ではあまりみない機能が多数搭載されています。

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残念な点を先に言っておくと、接続の安定性がまず一つ。TWSのイヤホンは現在種類も多くなってきたのですが、その中でも正直接続の安定性はあまり良くありません。やはりこの点ではAppleのAirPodsが抜群に良く、次点にBOSE SoundSport Freeという個人的な評価です。動画視聴の際には遅延もあります。

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本体はBOSE SoundSport Freeと比較すると小さい

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イヤーピースは2種類付属。今回はトリプルコンフォート・イヤーチップを装着して撮影

もう一つのデメリットを挙げるとすれば、電池持ちの部分でしょうか。最大3時間の音楽再生(使用上はNCオンでもONでも最大3時間)ですが、実使用感では2時間は超えるけど3時間には届かないかな、という感じです。

加えて、本体を満充電するまでに約1.5時間かかります。なので、実際にカフェなどで使っていると1日はまず電池が持たずに、かつ充電するためにけっこう待ち時間が必要になってきます。例えばAirPodsは満充電からなら最大5時間再生、また15分の充電で最大3時間再生可能な電池容量を充電できます。一日利用する中で実使用感にかなり差が出てくるので、思ったより充電がこまめに必要なのはデメリットでしょう。

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充電器兼ケース

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充電用の短いUSBケーブルも付属

対応コーデックはSBCとAAC。ソニーといえばLDACもありますし、製品によってはaptXなんかにも対応しているのですが、WF-1000XはSBCとAACのみです。対応コーデックの実装については色々な理由がありそうですが、少なくともAACには対応しているのでiPhoneなんかとの接続でも十分楽しめます。

形式は一応密閉型ということになっており、確かにBOSE SoundSport Freeと比較すると音漏れが少ないのも特徴です。

WF-1000Xで良いところ

  • NFCでの接続
  • ANC、外音取込機能
  • ワイヤレス利用のノイズの少なさ
  • ケーブルがない/サイズが小さい

WF-1000Xのメリット・強みとしては、左右独立型のイヤホンとしては圧倒的に多機能である部分でしょうか。

例えばAppleのAirPodsはiOSなどApple製品の端末と簡単に接続できるのが特徴ですが(最近のBeats製品もそうですね)、WF-1000Xの場合はNFCをサポートしているので、対応しているスマートフォンを充電ケースにかざして簡単に接続ができます。

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NFCでの接続に対応しているのは、SONY製品ならでは

また多機能という点では、ノイズキャンセリング機能や、外音取込機能も搭載しています。これも左右独立型イヤホンでは珍しいのですが、まあ、はっきりいうとおまけ程度に考えておいたほうが良いですね。SONY製品ではWH-1000XM2、MDR-1000Xなどワイヤレス・ヘッドフォン、WI-1000XなどBluetoothイヤホンと比較すると、はっきり言ってしょぼいというかお飾り程度のノイキャン性能でした。この辺りの性能に重点をおくなら、WF-1000X以外を選ぶほうが良いでしょう。

さすがSONYと言いますか、ワイヤレス製品でありながらBluetoothイヤホン特有のノイズが少ないのは非常に良いところです。以前もともとワイヤレスではないMMCXや2ピンのイヤホンをリケーブルして利用したり、SHUREから新発売されたBluetoothイヤホンを使ってみたりはしたのですが、Bluetooth製品でのノイズの少なさというのはSONY製品がどれもピカイチな気がしますね。

長らくコンシューマー向けにワイヤレスのイヤホン・ヘッドフォンを発売してきたSONYということもあるのかもしれませんが、この辺りの価格帯でワイヤレス製品というと、SONYが強いなあと改めて実感します。

音に関しても左右独立型イヤホンとしては良いですが、音質を重視するというよりはケーブルがないという利便性を追求する製品なのだと思います。音質も重視するならまだTWSを選ぶ理由がないような気はしていて、2019年、2020年あたりからこの辺も解決するのかなと勝手に予想しています。

WF-1000Xで微妙なところ

  • 電池持ち
  • 接続の安定性、途切れ

他のTWSイヤホンと比較すると、電池持ちが微妙です。充電時間に関してもけっこうストレスがたまりますし、終日鳴らし続けるのはかなり厳しい印象。接続の安定性も右側の音途切れがけっこう多いので、この辺りの「ワイヤレス利用での安定性」みたいなものもAirPodsが圧勝でした。

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電池持ちが短い上に、充電時間も長いのがデメリット

音自体が完全に途切れるかというと都内で歩いていても意外とそんなことはなく、問題は右側の途切れが多いところです。これは左右独立型であることが間違いなく関係していると思いますが、WF-SP700Nでも似たような感じでした。

Xperia Ear Duo(XEA20)に関しては長期利用したことがないのでわからないのですが、おそらく完全独立型のSONYイヤホンはこの部分がまだ完全に解決しているとは言えない状況だと思うので、接続の安定性を一番に重視するにはあまりオススメできない選択肢ではあります。

使ってみての感想

これまで使った左右独立型イヤホンだと、なんだかんだでAppleのAirPodsが一人勝ちな気がしてきました(スポーツタイプということも考えればBOSE SoundSport Freeもオススメですが)。まず左右独立型のBluetoothイヤホンの中ではAirPodsの安定性が抜群に良いこと、サイズもコンパクトでiPhoneとの接続も楽、充電も早いので、なんというか使っていてAirPodsはストレスがありません。BOSE SoundSport FreeもWF-1000Xより安定していたので、ワイヤレス製品としてのWF-1000Xは…な部分がけっこうあります。

その点でいうとこまめに充電が必要だったり右側の途切れがそこそこ頻繁に発生するWF-1000Xは少しもったいない気がしていて、多機能ならより音質が良くノイズキャンセリング機能も強力なWI-1000Xという選択肢もありますし。WF-1000Xは惜しいところが多すぎると言いますか、ケーブルから解放される利便性よりも、それに伴うマイナス面のほうが多すぎます。

2018年6月時点で最新のアップデートでも同じような状況なので、WF-1000Xをオススメすることは多分ないかと思います。左右独立型でないBluetoothイヤホンのWI-1000Xが良いので、今買うなら左右独立型は諦めてWI-1000Xを買ったほうが幸せになれる人が多いんじゃないでしょうか。個人的にも2018年はWI-1000Xをお勧めします。

(購入)