ウォークマンの新モデル「SONY NW-ZX300」は以前から気になっていて、4.4mm5極のバランス対応でそこそこに小型、また上位モデルの設計思想の部分でもWM1Aのそれを活かしたところがあるということで、実際に家電量販店で聴いてみて、ノイズも少なく良かったので購入してみました。一応推奨のエージングも終わったところで、レビューしてみたいと思います。
DAPとしてウォークマンとしての使い勝手はそのままに、求め易い価格と良い音質で、個人的にコスパは高いと思っていて、CES 2018でSONY MDR-1AM2も4.4mm5極バランス用ケーブル付属らしいので、色んな理由からNW-ZX300はこれから結構売れるんじゃないかと思います。
SONY NW-ZX300 レビュー
今回レビューする「NW-ZX300」は、SONYブランドWALKMANのミッドレンジモデルとして、2017年10月頃に発売したモデルです。上位モデルとなるNW1シリーズ「NW-WM1A」の設計思想を取り入れながら、小型かつ価格は7万円前後に抑えたDAP。
本体カラーはブラックとシルバーの2色展開ですが、今回はブラックを購入しました。本体サイズ(最大外形寸法)は約57.7mm x 120.4mm x 14.9mmとなっており、ミッドレンジかつコンパクトなサイズ感におさめられているのが特徴です。
WALKMANとして、ディスプレイなど表面に「マットガラス」を採用しているのも大きなポイントです。こちらがかなりマットな仕上げとなっており、指紋がつきにくく、指滑りが良い素材になっています。スクリーンは3.1インチのWVGA(800×480ドット)タッチパネルですが、日光下での視認性も個人的にはそんなに悪くないと思います。よほど明るくなければ、問題ないです。
背面は皮系の素材を採用しており、ケースなしで利用しても、テーブル置きで本体メタル部分が傷つくことは少ないと思います。
左サイドにはmicroSDカードスロットが搭載されており、64GB以上のSDXC規格にも対応していますが、本体ストレージ64GB+microSDカード1枚刺しでの運用になるので、外部メモリの容量はよく考えておきたいところ。
操作インターフェースの物理ボタンは右サイドに集約されており、片手で持ちやすいサイズ感もあってか、非常に使いやすいです。上から、電源ボタン、音量上下、曲送り/再生・停止/曲戻し、操作ロック(HOLD)。
音量調節に関してはボリュームダイヤルの方が良い方もいそうですが、個人的にはこちらのボタン式の方が安心ですかね。ポケットから取り出す際に誤操作で音量の上げ下げが行われる心配もありませんし。
(曲送り/再生・停止/曲戻しボタンには、スピン加工が施されていたりします)
3.5mm端子は実は4極のGND分離に対応しており、対応イヤホン・ヘッドフォンとケーブルがあれば、これを楽しむこともできます。前回「SONY XBA-N3」をレビューした際にSONYのサポートに直接聞いてみましたが、XBA-N3の付属ケーブルならこの3.5mm端子GND分離接続ができるそうなので、まあそういうことかと思います。
4.4mm5極のバランス用端子も搭載しており、ミッドレンジモデルの単体DAPとしてNW-ZX300がバランス出力に対応しているのは、エントリーモデルのWALKMAN A40シリーズと比較して大きく異なるポイントかと思います。
最近は「XBA-N3BP」であらかじめ4.4mm5極用ケーブルが付属したモデルなんかもありますし、最近CES 2018で発表されたMDR-1Aの後継モデル・ヘッドフォン「MDR-1AM2」も4.4mm5極バランス対応ケーブルが付属するとかしないとかで、SONYのWALKMANのバランス端子はこれに統一されていくのかなという予想。(PHA-3の3.5mm×2バランス端子は、過去の遺産になってしまうのかも気になるところです。)
…そういった意味でもミッドレンジの価格帯であるNW-ZX300に4.4mm5極バランス出力用端子を採用したことは、今後SONY製品を利用するなら便利なのかなという気持ちでいます。
充電やUSB DACモードで利用するポートは、今回もWALKMAN独自のWM-PORTを採用しています。そろそろやめてほしいですね。それは自社独自規格で出した方が安心ですし利益もあれなんでしょうが、もう何もメリットを感じません。NW-ZX300はそのスペックなどからWALKMAN新世代という気持ちがしているのですが、ここだけは頑なに守ってますよね。何ででしょうね。
音質面では、まずはWM1シリーズ用に開発されたフルデジタルアンプ「S-Master HX」を採用しています。ZXシリーズでは初めてのDSDネイティブ再生(Up to 11.2MHz ※アンバランス接続時はリニアPCMへの変換再生)に対応、アンバランス接続時は50mW+50mW(16Ω)、バランス接続時には200mW+200mW(16Ω)の実用最大出力を実現。
ちなみに今回のZX-300ではS-Master HXの半導体部分と基板を繋ぐ接続ボール部分にもSONYの「高音質はんだ」を採用しており、ここに高音質はんだを利用したのはZX300が初だそうです。
φ4.4mm5極端子には日本ディックス製のヘッドフォンジャック「Pentaconn」を採用。3.5mm端子よりも各チャネルの抵抗値が近く、接触抵抗も低く抑えているそうです。
筐体にはNW-WM1A同様に「総削り出しのアルミシャーシ」を採用して、剛性と共に音響効果も高めているとか。抵抗値が低い無酸素銅(純度99.96%以上)に金メッキプレートを組込、抵抗値の低減を実現しているのだそうです。アンプからヘッドフォンジャックへの線材は無酸素銅ケーブルを採用。
他では「電気2重層キャパシタ」、「高分子コンデンサー(FT CAP)」、「新規フィルムコンデンサー」、「2個の小型低位相ノイズ水晶発振器」、基板レイアウトの改善など、本体素材や設計を挙げるとキリがないのですが。
ワイヤレス部分では、Bluetooth Ver 4.2に対応。対応コーデックはSBC、LDAC他、aptX、さらに本体アップデートによってaptX HDもサポートするという充実ぶりです。ワイヤレスでも楽しみが多いのは良いことですね。 LDAC以外にもしっかり対応させたところはすごく良いです。ペアリングの部分ではNFCでの接続をサポートしているので、この辺りはSONY製品の強みな気もします。
…型番的にはZX100の後継機という位置付けかと思いますが、とにかく「NW-WM1の設計思想を活かしつつ、よりコンパクトなミッドレンジモデルに仕上げたのがNW-ZX300」というところを感じさせる仕様となっているわけです。ウォークマンA40シリーズは流石に手が出せないけど、…ZX300はこれだけ詰め込んでるなら欲しくなるよね、といいうことで今回の購入に至っています。
SONY NW-ZX300のスペック・基本仕様
機種名 | NW-ZX300 |
---|---|
ブランド | SONY |
内臓ストレージ | 64GB |
再生 | 音楽 |
対応フォーマット | ・MP3 ( .mp3):32 - 320kbps (VBR対応) / 32, 44.1, 48kHz ・WMA ( .wma):32 - 192kbps (VBR対応) / 44.1kHz ・ATRAC ( .oma):48 - 352 kbps (66/105/132kbps は ATRAC3) / 44.1kHz ・ATRAC Advanced Lossless ( .oma):64 - 352 kbps (132 kbps は ATRAC3 base layer) / 44.1 kHz ・FLAC ( .flac):16, 24bit / 8-384kHz ・WAV ( .wav):16, 24, 32bit (Float/Integer) / 8-384kHz ・AAC ( .mp4, .m4a, .3gp):16-320kbps / 8-48kHz ・HE-AAC ( .mp4, .m4a, .3gp):32-144kbps / 8-48kHz ・Apple Lossless ( .mp4, .m4a):16, 24bit / 8-384kHz ・AIFF ( .aif, .aiff, .afc, .aifc):16, 24, 32bit (Float/Integer) / 8-384kHz ・DSD ( .dsf, .dff):1bit / 2.8224, 5.6448, 11.2896 MHz ・APE ( .ape):8, 16, 24bit / 8-192kHz(Fast, Normal, High) ・MQA ( .mqa.flac):対応 |
ディスプレイ | 3.1インチ WVGA(800×480ドット) マットガラス採用 |
タッチパネル | 対応 |
Bluetooth通信機能 | ・ 通信方式 : Bluetooth標準規格 Ver 4.2 ・使用周波数帯域 : 2.4 GHz帯 (2.4000 GHz - 2.4835 GHz) ・変調方式 : FHSS ・対応Bluetoothプロファイル - A2DP (Advanced Audio Distribution Profile) - AVRCP (Audio Video Remote Control Profile) ・対応コーデック : SBC , LDAC, aptX ※アップデートでaptX HD対応 |
FMラジオ | - |
ダイレクト録音 | - |
USB DAC機能 | サポート |
外音取り込み機能 | - |
防水対応 | - |
テーマ・壁紙 | - |
推奨アプリケーション ソフトウェア | 「Music Center for PC」 「Content Transfer for MAC」 |
本体動作対応OS | - Windows(R) 10 - Windows(R) 8.1 - Windows(R) 7 - Mac OS(TM) v10.8-10.12 |
歌詞ピタ | - |
語学学習機能 (再生スピードコントロール) (A-Bリピート) (クイックリプレイ) | - |
NFC(ワンタッチNFC)機能 | サポート |
ドラッグ&ドロップ機能 | サポート |
検索 | リスト表示検索 (●全曲/アーティスト/リリース年/プレイリスト/アルバム/ジャンル/作曲者/ハイレゾ/最近追加した曲/おまかせチャンネル/フォルダー) |
プレイモード | おまかせチャンネル リピート シャッフル |
音質 | ハイレゾ音源再生 デジタルアンプ:S-Master HX DSEE : DSEE HX ノイズキャンセリング: - ソースダイレクト: - クリアフェース: - クリアオーディオプラス: - 付属ヘッドフォン: - イコライザー : ±20段階 トーンコントロール: BASS/MIDDLE/TREBLE、±10段階 DCフェーズリニアライザー : 6種類 VPT : - ダイナミックノーマライザ: サポート |
電源 | 充電池 : 内蔵型リチウムイオン USB充電 : 約5.5時間(満充電)、約4.5時間(約80%まで充電) 音楽再生時間: ●MP3 128kbps ステレオミニジャック 約30時間 バランス標準ジャック 約25時間 ●FLAC 96kHz/24bit ステレオミニジャック 約26時間 バランス標準ジャック 約23時間 ●FLAC 192kHz/24bit ステレオミニジャック 約23時間 バランス標準ジャック 約20時間 ●DSD 2.8224MHz/1bit ステレオミニジャック 約19時間 バランス標準ジャック 約13時間 (Bluetooth再生) ●SBC(接続優先) MP3 128kbps 約25時間 ●LDAC(標準) FLAC 96kHz/24bit 約14時間 |
入出力端子 | ヘッドホン出力 : サポート ヘッドホン実用最大出力(JEITA 16Ω/mW): ステレオミニジャック:50mW+50mW (ハイゲイン出力時) バランス標準ジャック:200mW+200mW (ハイゲイン出力時) パソコンとの接続/本体端子の形状 : Hi-Speed USB/WM-PORT microSDカード : microSD microSDHC microSDXC |
本体サイズ | 約57.7mm x 120.4mm x 14.9mm(最大外形寸法) 約57.3mm x 119.5mm x 14.8mm(外形寸法) 質量: 157g |
ビットレート別記録時間目安 | ●MP3 128kbps 約15,000曲 ●AAC 256kbps 約7,600曲 ●FLAC 44.1kHz/16bit 約1,300曲 ●FLAC 192kHz/24bit 約210曲 ●DSD 2.8224MHz/1bit 約340曲 |
付属品 | USBケーブル(1)/WM-PORTキャップ(2) /ヘッドホンジャックキャップ(ステレオミニ)(1)/ヘッドホンジャックキャップ(バランス標準)(1)/取扱説明書(1)/使用上のご注意/主な仕様(1)/保証書(1)/製品登録のお願い(1) ※ 本製品にはヘッドホン及びmicroSDカードは同梱されておりません |
イコライザーは±で20段階調整ができるようになっており、UIも使い易いと思います。FMラジオ、語学学習機能などには対応しておらず、この辺りは音質重視といったところでしょうか。クリアフェーズやクリアオーディオプラスにも非対応ですが、まあこの辺りはなくても問題ありません。USB DACモードが使えるのも大きいです。音量調節は120段階。
ハイゲイン出力も可能で、設定でステレオミニ端子/バランス標準端子のそれぞれで別々にハイゲイン設定ができるようになっています。フィルターはスローロールオフ / シャープロールオフの2種類。使い勝手も良いのでWM-PORT採用がなくなればいいなくらいですね。EQなどソフトウェアで変更をかける機能を全てOFFにする「ソースダイレクト」なんかも搭載されていますし、DAPとしては使い易いと思います。
エージングについて
ZX300においては200時間のエージングが推奨されています。「新開発高分子コンデンサー」と「POSCAPコンデンサー」を採用することで高音質を実現しているそうなのですが、これらのコンデンサーはエージング動作をさせることで特性が安定していくから、というのが理由のようです。
USB DACモードについて
トップ画面上部の「DAC」ボタンを押すことでUSB DACモードへ切り替えが可能ですが、購入直後ではあまり安定しているとは思えません。Windows 10 Homeでは問題なく動作しているようですが、Mac OSに関しては接続できたりできなかったりとかなり不安定。ソフトウェアアップデートの改善に期待ですが、一つの目玉機能ではあるだけに、早く改善してほしいなあというところ。
ちなみにUSB DACモードでもDSEE HXのアップスケーリングというか圧縮音源の擬似ハイレゾ化再生は使えるようになっています。あんまり気にしてこなかった機能ですが、よくよく気にして聞いてみるとずいぶん違いますね。
エド・シーランの「Barelona」では出だしのブレスなんかがもろに強調されていて、ああこれはイコライザーでいじって実現するのは難しそうだなと思って、曲によっては効果ありかと思います。聞いてるジャンルによっては圧縮音源もあったりはするので、曲によってはDSEE HXをオンにして使うと楽しい気がします。個人的にはありです。特にストリーミング系の音楽サービスをUSB DACモードで利用する際には便利かと思いました。
一つ付け加えると、USB DACモードには遅延があります。たまたまYoutubeをみていて気づいたのですが、動画視聴も、となるとかなり厳しいと思います。
iPhoneとのUSB DACモード接続
iPhone 8 Plusでも利用していますが、カメラアダプターを利用で、ソフトウェアバージョンVer 1.10では普通に使えましたね(Spotifyで音ならずおかしいなあと思ってmoraのプレーヤーで試したら流れて、その後Spotifyに切り替えたら流れました。何でしょうね…)。ただ個人的にZX300のUSB DACモードはまだまだ安定感がないという印象なので、今後のソフトウェアアップデートでこの辺りもサクッと繋がると良いと思うんですけどね。まあ使えない訳ではないので、特に問題はないですね。
DSEE HXについて
(DSEE HXでは、スタンダート以外にもいくつかモードがある)
この手のアップスケーリングというか擬似ハイレゾ化的再生機能は割と疑っていましたが、ONとOFFでずいぶん違いますね。先ほど説明した通りボーカルのブレスなんかはわかり易いところで、モロに強調されてクッキリはっきり聴かせるように音が出てきます。擬似ハイレゾ化と言って良いかはわかりませんが、明らかに変わっているのは確か。…ある意味ではEQというかそういった印象も受けます。
ただ普通のEQや音質モードだと、こういったブレスの分かり易さとか、ハイレゾ音源ぽいミキシングに近づけているような感覚などはなかなかいじれないところなのかなと思うので、そういう意味ではDSEE HXは圧縮音源と曲によっては効果絶大だと感じていて、ストリーミングを利用する時、AUX-IN端子を搭載した簡易スピーカーなんかには、もれなくDSEE HXを利用した方が楽しく感じている自分がいます。
Bluetoothでのワイヤレス接続について
Ver1.10からaptX HDにも対応しており、ワイヤレス接続に関しては SBC、LDAC、aptX、aptX HDに対応しているということになります。ペアリングに関してはNFCもサポートしており、ワイヤレスに死角なしといったスペック。接続も安定しています。
AK70 MKIIとの比較
ZX300のUSB DACモードがMacとの接続で不安定だったりはするので、そこの部分だけAK70 MKIIの方が良い気がします。まあそもそもボリューム調整がボタン VS ノブだったり、4.4mm5極 VS 2.5mm4極バランス出力だったり、DAPとして使い勝手の面でも色々違いが多い2者ではあるので、とりあえず使ってみた方が良いかと。本体サイズはZX300が縦長で、AK70 MKIIは比較すると少し横長なんですよね。どちらもDAPとしては小型ですが、片手使い易いのはどちらかと言われると、ZX300かと思います。
AK70 MKIIも迷ったのですが、試聴中に適度に熱持ちがあったりだとか、MKIIの音傾向として少し明るすぎる印象があったので、アコースティック色の強い曲を落ち着いてゆったり聴きたい時にはちょっとないかなという気持ちもあり、いろんな理由があって今回のNW-ZX300購入に至っています。
NW-ZX300の音質
力強さと繊細さを兼ね備えており、流石この価格帯で発売するWALKMANの新モデルという感じがします。まずはノイズがかなり少ないですね。アンバランス・バランス / ハイゲインと色々設定を変えて試聴してみましたが、イヤホンならローインピーダンスであってもある程度鳴らせてしまう駆動力と繊細さで、ノイズに強いのが個人的に嬉しいところかと思います。
SONY WALKMANということで、せっかくなのでNW-ZX300と合わせてあえて「XBA-N3」とキンバーケーブルの4.4mm5極バランス出力や、「MDR-1A」「MDR-Z7」などでも聴いてみました。
XBA-N3というと個人的に高域のBAが曲によって耳につく印象がありますが、ZX300の力強さとノイズの少なさが相まって、とても相性の良いイヤホンという印象。今回はキンバーの4.4mm5極ケーブルで試聴していますが、SONYもこの辺りの製品と合わせ易いような音作りを目指しているのかなと予想してしまう部分でもあります。実際にSONYはXBA-N3BPで4.4mm端子用のバランスケーブル付属モデルを出したりしていますし、CES 2018で発表されたMDR-1AM2に関しても付属するらしいということなので、いよいよSONYはバランスに関しては4.4mm統一かなと。…SONY A40シリーズと比較するとその差は圧倒的で、NW-ZX300を聴いた後だと、もうAシリーズは聴く気が無くなりますね。
ヘッドフォンでは「MDR-1A」を試してみました。元々空気感の過多ぶりから好みの的を少し外したヘッドフォンだった1Aですが、ZX300はイコライザーで調整が20段階(±)できるので、ある程度は自分の好みに調整できます。当然この空気感を楽しみたい方はソースダイレクトで聴いても良いし、元々のDAPとしての性能が高い上に、ソフトウェアでの楽しみが充実しているのが良いところですね。
…MDR-Z7に関しても鳴らせないことはないですが、ZX300はコンパクトでWALKMAN本来の持ち運び易さなどが持ち味でもあったりするので、あまり相性は良くないと思います。
…SONY NW-ZX300はその音質は流石といったところで、この値段を出してもA40シリーズからは乗り換えるべきと思いますし、最近は外用にFiiO X5 3rdを利用していましたが、明らかにNW-ZX300の方が上な印象ですね。パワーに加えてノイズの少なさが際立ちます。
これだけの音質で、かつ凝縮したコンパクトな筐体に詰め込まれているので、個人的な意見をいうと、これは結構長い期間売れると思います。もちろんSONYがこれから発売するであろうイヤホン・ヘッドフォンでは4.4mm5極を採用するだろうというところ、そしてそれに合わせ易い価格帯のDAPとなると、NW-ZX300が該当するところ、ライバル機と比較しても使い易さがあり価格も個人的には十分安く感じますししかも小型、等色々理由もあるのですが、それらを取っ払ってもメチャメチャ音質が良いので、あとはUSB DACモードを少し改善してくれれば、2018年を乗り切るメインDAPとして使う価値は十分あると感じます。
あとはバランスの4.4mm端子の部分ですかね。アイリバーのAstell&Kern AKシリーズが2.5mmだったりはするので、この辺りで音質傾向と組み合わせをどうするかという部分も気になるところです。(アイリバーといえば低価格な製品のイメージでしたが、ここ数年はハイエンドDAPとかも投入して人気がありますよね。)
話が少しそれましたが、WALKMAN A40シリーズと比較してZX300へアップグレードする価値は十分にありますし、小型ということもあって、外出用に特化したDAPというところでのSONYのNW1シリーズや他社の大きめDAPから乗り換えというのも面白そうな製品です。…2018年はよほどコンパクト・操作性・音質の3つが揃った製品が出てこない限りは、今年はZX300が外用メイン機種になりそうだなという感じがしています。