【レビュー】Shanling M2s、HiByLinkやレシーバー機能に対応した小型DAPを使う

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今回は山灵数码科技发展有限公司、Shanlingブランドから発売されている「Shanling M2s」をレビューしてみたいと思います。Shanlingといえば最近M0という超小型のタッチパネル対応DAPが発売されましたが、M2sはタッチパネル非対応のモデルです。

DACにAK4490EQを搭載していたりHiByLinkに対応していたりと、最近安くなった価格にしては「小型DAPで色々使える」というのが面白いプレーヤーだったりするので買ったみたのですが、しばらく使ってみての所感などメモしておきます。

Shanling M2s レビュー

Shanlingといえば中国のオーディオブランドで、搭載しているDACや価格もさることながら、多機能なDAPを最近は登場させているのが注目かと思います。例えばHiBy MusicアプリからDAPをリモートコントロールしたり、 Bluetooth機能を利用してレシーバーとして使ったりと、ワイヤレスで色々使いたい方にも面白い製品です。

そんな中でもShanling M2sは2017年に登場したDAPで、DACに旭化成エレクトロニクスのAK4490EQ、アンプにTIのTPA6120、ローパスフィルタにMUSE 8920を内蔵しており、DSD256、PCM384kMz/32bitのネイティブ再生に対応と小型でそこそこの低価格ながらスペック面でも発売時注目を浴びたDAP(だったような気がします)。

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本体のサイズが53×14.5×85.6mmと小さく、重量も100gなので小型DAPとしてかなり扱いやすい部類です。重量も100gで軽く、おそらくDAP単体で胸ポケットに入れて持ち運んだり、ついでにBluetoothレシーバー機能やHiby Link対応もあって、カジュアルに利用できる高音質DAP、という触れ込みというか、個人的にはそういったコンセプトのDAP(もちろんもっと小さいM1やM0があるので、商品の位置付けとしてどういったところにいるのかは良くわかりませんが、個人的には持ち運びに便利なDAPという感じです)。

microSDカードスロットは1つ。最大256GBに対応しており、駆動時間は最大10時間程度(公式サイト参照)。USBポートからのデジタル出力(転送)にも対応しており、小型ということもあってDACアンプと重ねるトランスポーター専用機としても使っている人は多そうな、そうでもないような。内蔵ストレージに保存はできないので、microSDカードは必須です。

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DAPでは珍しく、USB Type-Cポートを採用しています。最近AndroidスマホはType-C出ないと流石に古い感じがしますが、ことDAPに関してはUSBでのデジタル出力(接続)のケーブルがUSB micro B端子である商品が多いと思うので、ここはどちらが良いか甲乙つけがたいところです。スマホのケーブルでそのまま充電できるというのは良いですが、多分DAPを持ち歩いている方はmicro Bの端子を搭載したケーブルは持ち歩いているでしょうし。

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ちなみにShanlingはこの新しいシリーズというか製品群から、ほとんどの新製品がUSB Type-Cポートを採用したDAPとなっています。スマホから随分遅れて徐々にType-Cポートに移行していくとは思うのですが、ポータブル・オーディオ・プレーヤーでほとんど全ての新商品がType-Cになっている点ではかなり珍しいブランドです(最近はAstell & Kernブランドも新DAPのA&futura SE100なんかでType-Cを採用しましたね。SONY NW-ZX300は相変わらずWMポート搭載と、独自路線です)。

3.5mmジャックはラインアウト用に使うこともできますし、Type-CポートからデジタルアウトもOKです。PCなどと接続してUSB DACとしても利用可能で、小さいけど意外と多機能、というのがM2sのポイントの高いところというか、そんな感じです。

Bluetoothバージョンは4.0。Shanling M2s単体からBluetoothイヤホン、ヘッドフォンと接続して音楽を聴けますし、コーデックではaptXサポートです。また多機能な部分でレシーバーとしても利用可能で、例えばスマートフォンとBluetoothで接続して音楽ストリーミングサービスのApple MusicやSpotifyをM2s出ししたり、といったこともできます(まあこれは音質が犠牲になるので、なんとも言えないのですが)。

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またShanlingのDAPが注目を集めているのがHiby Linkかと思います。簡単に言うとスマホにHiby Musicというアプリをインストールして、スマホ側からリモートでM2sを操作できる機能。別の記事でこの辺りはまとめたのですが、使ってみると確かに便利です。無線関連のせいかちょいちょいノイズが入るのであまり使っていませんが、カジュアル利用でスマホで全部を操作したい方には便利だと思います。

操作性について

タッチパネル非対応なので、サイドに搭載されている再生/停止、曲送りボタンやボリュームノブを押したりで操作します。慣れてしまうと意外と使いやすいですし、UIもわりとシンプルなので、1日もすれば大抵の操作は問題なさそうな感じ。

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スクリーンロック時に音量調整だけをONにしたり、曲の切り替えだけをONにしたりと色々使いやすいようにカスタマイズはできるようになっているので、タッチパネル非対応のDAPとしては個人的に使い易い部類かと思います。

ラインアウトモード時はボリューム最大音量になるので、間違えて単体利用時にラインアウトモードに設定しないように気をつけてください。耳とイヤホンがやられます。

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音質と傾向など

どのイヤホンでもどっしり聴かせる、存在感のある傾向です。今回はAK70(MKIIじゃないほう)とFiiO X7と比較してみましたが、好き嫌いはかなり分かれそうな気がします。

AK70との比較ではM2sのどっしりした存在感が明らかに違うところで、キレイ系にふわっと鳴らすAK70とはどうも正反対のDAPのような感覚。解像度はAK70の方が高いのですが、似たような製品群のように見えて(M2sの方がずっと小さいこともあって)全然違うので、利用シーンも変わってきそうで甲乙つけがたいところ。 M2sはどっしりしているのでポップスやロックでその存在感が光るのですが、女性ボーカルで高域を楽しむなら断然AK70、といった感じでしょうか。ただAK70はパワー不足みたいなところはあるので、このサイズである程度鳴らせるパワーを感じるのはM2sのすごいところです。

FiiO X7との比較では付属のAM1アンプモジュールで聴いてみました。どちらも芯のある音ですが、FiiO X7の方がずっと制動感があり、解像度も高いです。なんと言うか、FiiO X7は存在感がありつつも芯が中心に引き締まっている感じですが、M2sはどっしりしながらも、FiiO X7+AM1と比較すると全体的に派手で雑に聞こえてしまいます。

…これらのDAPと比較するとやはり音質的なところで(好き嫌いとはまた別のところで)気になる部分はいくつかあるのですが、個人的にShanling M2sは「気軽に持ち運べる小型DAP」的なところが最大のメリットだと思うので、例えば朝の通勤時に気分をあげる曲をかけたりとか、そういった使い方と曲との相性という意味では、M2sは結構良いんじゃないかなととも思います。

ワイヤレス・多機能DAPとしてのM2s

HiBy LinkやBluetoothレシーバー機能がM2s購入層、もっと言えばShanlingのDAPを購入する1つの要素と思うのですが、個人的には、フィットネスなどカジュアルな利用以外には、ちょっと厳しいような気がします。

普通にイヤホンやヘッドフォンとBluetooth接続するには特に問題を感じません。ただHiBy Linkでスマホ側から操作している時に聞こえるノイズが明らか過ぎるので、わざわざHiBy Linkを使ってまで全てを操作をしたいと思えないです。

レシーバーとしてM2s出しする場合にも割とノイズが聞こえてしまうので、これなら素直にスマートフォンから接続した方がましだな、という気持ちになります。M2s出しでのノイズがすごいとかそういうわけではなく、ワイヤレスで使うことによる(おそらく干渉)ノイズが気になり過ぎる、ということです。

なので、ワイヤレス関連で使う分には、単純にBluetoothヘッドフォン、イヤホンとつなぐ以外にはあまり満足できないというか、まあそれならスマホと直接接続するよ、というか。最近はaptXに対応したスマートフォンも多いですからね。

トランスポーターとしてのM2s

トランスポーターとして使うと話は少し変わってきて、今回はMojo(DoPで)と接続して聴いてみましたが、まずMojo出しするとHiby Link操作時に聞こえていたノイズが皆無になりました。USBで出力したことによって干渉がどうにかなったのか、それとも単純にM2sから音出しするときにノイズが多かったのかは謎ですが(M2s本体操作ではそのノイズはないので、干渉の問題だとは思うのですが)、とにかくトランスポート用のDAPとして使う分にはHiby Link操作のノイズは気になりませんでした。

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Shanling M2sは本体がかなり小型なので、そういう意味ではトランスポート用のプレーヤーとしてはなかなか良いんじゃないかと思います。ただしMojoに限って言えば専用ケースが発売されているAK70なんかとのセットの方が持ち運びやすかったりしますし、DACアンプと重ねて使うことで「結局そこそこ重くてサイズも大きくなるじゃん」となると本末転倒と言いますが、単体で小さくて持ち運び易いのがやっぱりM2sの良いところだと思うので。

じゃあアンプ型も小型なら合わせやすいじゃん、など、組み合わせによっては色々メリット・デメリットがあるかとは思うので、価格も含めて完全に利用シーンによっておすすめ度が変わるDAPです。まあ突き詰めればDAP全てがそうなのですが、M2sはサイズ感が1つの特徴ではありますからね。

所感:小型で多機能

Shanling M2sを暫く使ってみて思ったのが「小型・多機能・どっしりした音」の3つです。

多機能の部分ではレシーバーやHiBy Linkでのリモート操作があるのですが、ワイヤレス関連では「それならBluetoothイヤホンで直接スマホと接続して聴けば良いじゃん」といった感じでノイズなどの面で気になるところがいくつかあったので、面白くて便利だけど個人的にはワイヤレス機能は常用しないだろうな、という印象です。

サイズが小さくトランスポーターとしては優秀なので(Mojo出しのときにはなぜかHiby Linkノイズもなかったですし)、ゲイン切り替えも可能でサイズを考えるとパワーもなかなかあるので、使い方次第では色々ありだなと思いました。ただトランスポーターとしてだけで見ればもっと小さいShanling M1やM0があるので、それはそれで迷うと思うんですけどね…。

(購入)