Razerから販売されているゲーミングキーボード「Ornata Chroma」を購入したので、レビューしてみます。
Ornata Chromaは新設計の「Razer メカ・メンブレン」を搭載し、メンブレン型のソフトな感触を活かしながら、メカニカルスイッチのようなクリック感を採用しているのが特徴。しばらく利用しているのですが、メカニカルスイッチとはまた違った面白さを感じる製品です。
Razer ChromaのRGBイルミネーションにも対応し、ゲーミング用だけでなく、文章入力も意外とし易いキーなのですが、気になる点も幾つかあるのでメモしておきます。
Razer Ornata Chroma ゲーミングキーボード レビュー
ゲーミングブランドのRazerから発売されたOrnata Chromaは、RGBライトを搭載したゲーミングキーボード。テンキーありのフルサイズで、レビュー時点の価格は1万1000円程度で販売されています。
Ornata ChromaにはRazer独自のメカ・メンブレン構造が採用されており、メンブレン構造のソフトな沈み込みを活かしながらも、メカニカル・スイッチのような音とフィードバックを再現したキーを搭載しています。
(プリセット Wave)
実際に採用されているのはメンブレン型ラバードームなのですが、メカニカルらしいフィードバックを与えるような独自構造になっているようで、打鍵感はフィードバックがありながらも、やっぱりソフトなメンブレン型を押している不思議な感覚です。
最初に言っておきたいのが、付属するパームレストがなかなか快適です。ただこれはRazer Ornata Chroma用にではなく、別のキーボード用に。
(Razer Ornata Chroma付属パームレストを、あえてLogicool G512 Carbonで使う)
Ornata Chromaはキーキャップが低くロープロファイルのせいなのか、パームレストがないほうが指が走りました。逆にキーキャップの高さが普通にあるキーボード用の利用が快適だったりしたので、現在は別のキーボード用パームレストとして使っています。ゲーム中は邪魔ですが、これはまあ人によりけりでしょう。
(傾斜させるキックスタンド)
(上左右から出せるケーブル管理構造)
フルキーにRGBを点灯したときの見た目も秀逸で、RazerのRGBシステムは光らせ方の部分でLogicool/Logitechや他メーカーに勝っている部分があるような気が。
(プリセット Fire)
Razer Synapseソフトウェアのインターフェースが使いやすいとは思いませんが、キーリバインド機能は当然ありますし、マイクミュートの割り当ても簡単にできたりはするので、カスタマイズ範囲としても扱いやすさを感じます。
ChromaコンフィグからキーごとにRGBイフェクトを使えるのも面白く、例えば他社ソフトウェアやRGBキーボードでは、単キーごとにライトの色は割り当てできても、光り方の効果は個別に割り当てできないときがあるんですよね。Laptop分野でもそうですが、洗練された見た目の面ではRazer製品が魅力的に見えるのも納得です。
(キーごとにイルミネーション効果を割り当てできる)
ロープロでキー間の隙間からRGBライトが漏れ出るのを利用したプリセットライティングは綺麗ですが、コンフィグからカスタムでゲーム用プロファイルを個別に作るとかなり残念な見た目になります。明るさ最大設定でも文字部分がきれいにライティングされなかったりもしますし、クリーンな見た目という点ではLogicool G512 CarbonやLogicool G Proの圧勝。
(WASD表示では、盛大にRGBライトがキー下で漏れる)
(WASD+ARROW KEY点灯では、もはやどのキーが光っているかも正確に判別できないレベルに)
(多色で点灯させるとかなり混ざる)
(プリセットのRGBイルミネーションは美しい)
まあ、RGBライティングは見た目の話であって、好みの問題もありますしね。とにかく、プリセットのフルRGB表示は美しく、カスタム表示は残念です。
Razer メカ・メンブレン スイッチの打鍵感とクリック音について
打鍵音に関しては底打ちしたかに関わらず一定のところまでいくとパチッ、パチッとかなり大きな音がなります(おそらく内部に搭載された音用の金属板)。
これはRazer グリーンスイッチのようなクリック音を再現しているそうですが、カチカチとスイッチ音が鳴るCherry MX青軸の一般的なkeyboardと比較しても、少しおおきな音のような気がします。あえて表現するなら、Cherry MX青軸よりも”明らかに鳴らしにいってる”音です。静かに配信したい方には、あまり向いていないかと。
キーの打鍵感に関しては、予想していたよりもアクチュエーションを想定したパチッとなる地点を通過する際に圧が必要でした。感覚的には、青軸スイッチよりも重い気がしています。ラバードームによる独特なソフト感触があるせいかもしれません。ロープロファイルでキーキャップ自体も浅めなせいかスムーズさにも欠けるので、実際のメカニカルスイッチに慣れている人からすれば、かなり不思議な感覚を覚えるはずです。
またアクチュエーションポイント=クリック音の鳴る地点ではないのは、ほかのレビューでも掲載されている通りで、試しに慎重にそっとキーを押してみると、ある地点でクリック音が鳴っても、キー入力が反応しないときがあります。
筆者のようなアベレージゲーマーにとっては通常利用時そこまで気になりませんが、アクチュエーションポイントまで行くのにある程度の押圧が必要であること、またフィードバックと入力の感覚を考慮すると、例えば底打ちせずに浮きと指の感覚で高速入力をしたい方なんかには不向きかもしれません。
キックボードで傾斜調整ができるのとキーキャップの低さの低さのおかげか、文章入力のタイピング自体はし易いです。あまり気にせずに使っていると、音と圧以外はやはりメンブレン構造のキーボードに近いのかな、というのが率直な感想。メカニカル寄りか、メンブレン寄りか、といわれれば「パチパチ音の鳴る打鍵圧が必要なメンブレンキー」といったところでしょうか。
そのため、メンブレンやフラットなパンダグラフ式に慣れている人からすると、Razer Ornata Chromaは文章入力しやすいかもしれません。個人的には長時間のタイピングで圧による指疲れが出てきたので、やはりRomer-G リニアやCherry MX赤軸のほうが扱っていて全般楽です。つまるところ、やっぱりメカニカルではないよね、という結論に至りました。まあ、構造上当然なのかもしれませんが。
赤軸 or Romer-G リニア派の現状を踏まえて
いくつもキーボードを利用するうちに個人的な好みがリニア系スイッチということが分かり現在は赤軸もしくはRomer-G リニア派な筆者なので、打鍵感やクリック音はメリットよりもデメリットに感じてしまいます。
これが青軸派やRazer系スイッチが好きな方であればまた感覚も異なると思いますが、なんとなく青軸ユーザーが乗り換える決定打もないような気がしていますし、何より基本はメンブレン構造にも関わらず、価格が1万円越え。
文章入力用に買うとしても音が結構鳴りますし、コスパなら単純にメンブレンキーボードを買ったほうが安いですし、もちろんRGBイルミネーションは良いんですけどね。
現状Romer-G リニアのLogicool G512 Carbonがお気に入りで使用中ですが、これをRazer Ornata Chromaへ変更する気にはなりませんでした。同じ価格でRomer-G リニアスイッチのG512 Carbonが買えてしまうこともあって、こちらをおすすめしておきます。