【レビュー】JVC WOOD 01 inner HA-FW01、木材の響きに惚れるイヤホン

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JVCのウッド素材採用イヤホン「JVC CLASS S WOOD 01 inner HA-FW01」 を購入したのでレビューしていきたいと思います。最近いくつか新モデルのイヤホンやヘッドフォンを試聴してきたのですが、久々に聴いてみたHA-FW01があまりに良かったので買ってしまいました(発売時5万円超だった価格が3万円弱まで下がったことも理由です)。

木材を採用したイヤホン•ヘッドフォンはいくつかJVCブランドから発売されていますが、購入時点で発売されているモデルではこのHA-FW01が最上位となり、重厚かつスムーズな音質はさすがフラグシップと言ったところですが、現在値段も手頃になりました。

価格が下がりに下がったのでダイナミック型一発のみのイヤホンの中では激しくおすすめのモデルなので、少し紹介します。

JVC CLASS S WOOD 01 inner HA-FW01レビュー

今回レビューするのはJVCのイヤホン「CLASS S WOOD 01 inner HA-FW01」です。製品の位置付けとしては、木材振動板やウッドハウジングを採用したイヤホンシリーズのフラグシップ・モデル

このイヤホンはウッド、木材を採用したJVCイヤホンの中でも、CLASS S WOOD innerとしてリニューアルした新製品です。一応HA-FW01が発売当初5万円以上したモデルなのですが、発売日が2016年で少し期間が経ったので3万円台まで下がりました。

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以前は「FA-FX1100」「HA-FX850」「HA-FX750」「HA-FX650」などがウッドシリーズのイヤホンとして存在したのですが、新たにHA-FXシリーズとして生まれ変わりました。JVC WOOD 01 inner HA-FW01はWOODシリーズのイヤホンの中でも最上位モデルなのですが、中位にHA-FW02、下位にHA-FX03があります。このあたりの比較は後ほど。

JVCウッドシリーズのイヤホンはHA-FX750なども過去に持っていて個人的にダイナミックドライバー1発での心地よさと解像度が好きなのですが、デザインも秀逸です。筐体ハウジングにはウッド素材が採用されており、背面(外側)にも新開発のウッドスタビライザーが搭載されています。ゴールドカラー(薄めのゴールドというか、ローズゴールドにも見える)のアクセントも◎。

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筐体にRLの表示は印字されているので、端子近くの赤と青のカラーリングはどうなのかな、という気がします。とはいえデザインで気になるのはそのくらいで、全体的は木材の質感、外観を活かした美しいなデザインにまとめられています。

50µm 薄型ウッドシート & 11mmウッドドーム振動板

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旧モデルのFA-FX1100もウッドドームユニットを搭載していたのですが、今回のWOOD 01 inner HA-FW01で薄型化した木材使用の振動板を採用しているそうです。これによってより繊細な音の描写が可能になったと言うのが触れ込みで、デザインは前シリーズと似ていますが、内部は変更が加えられています。

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振動板のサイズもミドルレンジのFA-FW02や03が10mmを採用しているのに対し、01では少し大きな11mm振動板を使用。またウッドシートも従来は80µmのものでしたが、今回のWOOD 01 inner HA-FW01ではより薄型の50µmウッドシートを採用しているそうです。この辺りも音質に関わってくる部分かと思います。

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内部構造はこんな感じになっており、ウッドハウジングの筐体の中はウッドシートを採用したドライバーをメタル素材のクアッドメタルハーモナイザーで包んで、不要な振動を抑える構造。音の出口部分にはアコースティックピュリファイアーを採用して、効果的に不要な音を拡散し、分解能を改善しているとか。背面部分にはアルミキャップとウッドスタビライザーを搭載し、この辺りもアコースティックな部分で音質に関わってくるのかなと思います。音の傾向自体はFX-FX1100などと似ている部分が多いのですが、同シリーズの旧モデルと比較して変更されているところもいくつかあるみたいです。

ちなみにウッドシート用のスライスマシンなんかが自社開発だそうで、主要パーツは生産、組み立て共に日本で行なっているそうです(発表時点の情報です)。最近は日本以外のアジア製品も質は全然良いので「日本生産だから良い」というのは神話レベルというか、もうあんまり差別化のアピールポイントにはならないような気がしていますが、こういうワードにピンとくる方もいるかもしれませんね。

…JVCブランドではこのような木材を採用した製品というのがいくつかあり、ウッドコーンスピーカーもそうですし、FA-FX1100やHA-FW01もそうですが、大きな差別化要素になっているのが面白いところです。もちろん重要なのは音質ですが、今回のHA-FW01もシリーズで一貫した音作りに定評があるので、有機的なデザインも含めてファンは多いだろうなということが感じ取れます。

MMCX端子・着脱式ケーブル

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MMCX端子を採用しているので、リケーブルをしてバランス接続などを楽しむことも可能です。ちなみにWOOD 01 inner HA-FW01付属のケーブルはセパレーションを向上させるL/R独立グランドのOFCケーブルを採用しており、また外側は布巻きケーブルとなっているので、絡みなんかも少なく扱い易いと思います。

個人的な話をすると最近はメーカー公式からアップグレードケーブルなんかが出ない限りリケーブルすることも減ってきたのですが、今回もMMCX端子を採用しているのは嬉しいところです。

(実はJVC公式から、L/R独立のCN-HM01MBというケーブルと、バランス接続が可能なSU-AX-01ポータブルアンプが発売されています。)

装着感・フィッティング

人間工学に基づいた筐体設計をしているとのことですが、装着感は普通です。付属のイヤーピースはJVCのスパイラルドットイヤーピースなので、そのままで使う人も多そうな感じがします。個人的には最近購入したAZLA Sednafitを利用していますが、このあたりのサイズ感のイヤーピースならほとんどはまりました。(SONY WI-1000Xに付属していたトリプルコンフォート・イヤーピースは少し小さかったです)

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下位モデルと比較すると本体サイズは少し大きめに感じるので、ハウジングがぴったり耳にくつくというよりは、イヤーピースの押し込みで耳への装着感を安定させる感覚です。ですのでそのままでもフィット感は良いのですが、人によっては筆者のようにスパイラルドット以外を利用するのが良いかもしれません。

ストレートに装着するタイプなので、例えばメガネをかけている時なんかに邪魔にならないのは良いですね。耳にフックで引っ掛けるシュアがけタイプのみのイヤホンだとメガネをかけた時に結構邪魔なことがあるので、これは嬉しいです。

きになる点といえば、「重量バランスを最適化することでサポート力を向上させ」とあるのですが、小走りしていると以外と重量があるので耳から滑り落ちてくることがありました。こういった場合は1サイズ大きなイヤーピースを利用すると改善するのですが、所謂シュアがけもできるにはできます。

見た目やデザイン的にWOOD 01 inner HA-FW01はそのまま耳に装着するように設計されていると思うのですが、SHUREがけでもそこそこ快適なのは意外でした。ただエルゴノミックな設計で左右対称ではないので耳に装着させる角度が異なってくるので、シュアがけをすると、通常通り装着するときと比較して奥まで押し込めない感覚はあります。この辺りは好みの問題ですが、少なくともシュアがけができることはメリットに感じました。

発売してしばらく経つイヤホンですが、装着感の面ではFX1100からもっと改善があっても良い気がしますね。例えばフックを付属させるとか。シュアがけをし易いような設計にもするとか。

音質・ダイナミック型ドライバー1発の良さ

個人的な用途ですが、全体な音質傾向はリスニング向きに感じます。独自開発のダイナミックドライバー1発で滑らかなサウンドはアコースティックな曲と相性が良く、ボーカルに艶感もたっぷりで聞き応えがあります。低域も適度にキックと押し出しがあるので、JAZZなどに適していると思います。

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セパレーション・解像感に関してはAZLA 01Rなんかの方が良いのですが、個人的にWOOD 01 inner HA-FW01の良さはダイナミック型ドライバー1発の滑らかさ、自然さ、中低域の豊かさにあると思っているので、そういった意味では以前発売されたHA-FX1100と共通する部分は多いです。木素材を採用したイヤホンのCLASS Sフラグシップ・モデルとしての音質は十分で、音作りなんかも一貫していますし、HA-FX1100やその他以前のモデルのユーザーも意識した音作りになっているのかなと思いました。

高域も強調されている感覚はありませんがあくまで滑らかなサウンドが特徴なので、このあたりもダイナミック型1発の高級イヤホンを求めている方向けという感じはします。ボーカル域も男女ともに艶感バッチリで、長時間うっとり聴いていられる良さがあります。

滑らかで有機的なサウンドを求めている方にはバッチリ合うと思うのですが、解像度やセパレーションに全振りしたイヤホンではないと思うので、最近のEDM、ポップス、アニソンなどと相性が良いかと言われるとちょっと微妙かもしれません。あくまで個人的な感想ですが、WOOD 01 inner HA-FW01に関してはDD1発のコク、温かみを楽しみたいと言いますか、解像感を重視する方は少しこもった印象を持つかもしれないな、とも思いました。キレとセパレーション、派手さを求めるなら同じJVC Class SでもSOLIDEGEシリーズのHA-FD01とかを聴いてみるべきです。

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下位モデルとの比較ですが、HA-FW02とはなかなか良い勝負です。傾向や解像度は似ていますが音場表現や中高域の滑らかさ、低域のふくよかさといった部分では上位モデルのHA-FW01が良かったですね(個人的にはここが購入の決め手でした)。わかりやすさという点ではHA-FW02も良かったので、予算も考えながら選ぶと良いと思います。下位モデルのHA-FW03は解像度の点で01、02と比較して今ひとつな印象があったので、すぐに購入の検討から外しました。全体でいうとどれもドライブしやすいので、スマホのみで聴く方なんかにもお勧めしたいところです。

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(ケーブル長は1.2mなのでモバイル端末でも扱い易い設計です)

結論、ダイナミック型1発が好きな方、さらにアコースティックな曲を聴く方向けかと思います。最近はマルチドライバーのイヤホンで高級モデルが多いですがDD1発のハイエンドモデルというと意外と選べる選択肢は限られてくると思うので、10万円クラスのD型イヤホンもある中、3万円台まで下がった価格と音質を見れば、JVC Class S WOOD 01 inner HA-FW01はおすすめしたいイヤホンです。

JVC WOODシリーズのようなイヤホンは過去のファンが多いと思うので新モデルの開発って意外と難しいというか、既存ファンが求めるWOODシリーズの傾向とかけ離れるとこれまた問題な気もしているので。ただ今回のWOOD 01 inner HA-FW01はシリーズで一貫した音作りというか、そういった部分は変わっていないので良いと思いました。

そもそも今回はマルチドライバーのイヤホンではなく地に足がついたDD1発で高音質、手頃な価格のイヤホンを探して試聴・購入したのがHA-FW01なので、 イヤホンの使い分けという点も良い選択肢になりそうですね。FX-1100が値下がりしているので、こちらも一緒に見ておくと良いと思います。