【レビュー】Jabra Elite 65t、NFMIで接続性に優れた完全ワイヤレス・イヤホン

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GNグループ・Jabraブランドの左右独立型 完全ワイヤレス・イヤホン「Jabra Elite 65t」を購入したので、レビューを書いてみたいと思います。

Jabraといえばコンシューマー向け音響製品はBluetoothヘッドフォン・イヤホンなど「ワイヤレス」の印象が個人的にも強いブランドですが、今回のJabra Elite 65tは「NFMI(Near Field Magnetic Induction/近距離磁気誘導)」という技術を採用しており、「完全ワイヤレスの左右独立型イヤホンでありながら、全然途切れない」のが強みだったりします。

サイズ感や音質についてはいくつか気になる点はあるものの、確かに使ってみると左右独立型の弱点である「左右の接続が途切れる」問題はほとんど完璧に解消されていました。最近は外で走ったりトレーニングをするときには随分と利用する機会が増えたので、このジャンルにおいては接続性がピカイチなプロダクトとしておすすめできそうな製品です。

Jabra Elite 65t レビュー

今回レビューするのは「Jabra Elite 65t」、左右独立型の完全ワイヤレスイヤホンです。True Wirelessなどとも呼ばれるジャンルの製品ですが、昨今このジャンルの製品で話題となっている「NFMI(Near Field Magnetic Induction)」技術が搭載されており、評判も良かったので購入してみました。

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NFMIはNear Field Magnetic Induction(近距離磁気誘導)の通信技術のことで、NXPセミコンダクターズはMiGLO®︎の登録商標でいくつかシングルチップの製品を出したりしています。

MiGLO – the power of wireless audio

Jabra Elite 65tがどのソリューションを利用しているかは不明なので内部に搭載されているチップを国内サポートに電話で聞いてみたりはしたのですが情報がないとのことなので、現在メールで確認中です。(NXPのTwitterをみる限り、Jabra Elite 65tにもMiGLOが使われている可能性が高いとは思いますが)

追記:返信がきたのですが、NFMI技術は採用しているものの、Elite 65tに搭載されている具体的なチップについては非公開だそうです。

NFMI技術自体は補聴器関連の製品に使われていたようなのですが、最近になって左右独立型イヤホンが登場し、接続の安定性などから注目を浴びているわけです(と、個人的には認識しています)。

NxH2280 MiGLO NFMI Radio demonstration

(NXPのプロダクトマネージャーが簡単に紹介していたりします)

NFMI技術を搭載したJabra Elite 65tに関しても、発売当初から「左右独立型なのに接続が安定している」と評価の高い製品でした。特に利便性も重視されるワイヤレス製品にとって接続が安定しないのは致命的な部分であり、今後もNFMI採用製品が増えてきそうな予感がします。

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NFMI技術を採用したTure Wirelessイヤホンというのは他にも発売されており、JabraブランドでいえばElite SportやElite Active 65tなども採用していますし、他社の製品ではB&O Beoplay E8、EARIN M2、YEVO 1、NuForce BE Free8、SONY Xperia Ear Duo XEA20、また最近発表されたモデルではゼンハイザーのMOMENTUM True Wirelessなんかも採用とのことなので、このジャンルではかなりホットな技術なのだろうと思います。(追記:WF-SP900も採用しているみたいですね。)

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(ついにゼンハイザーもTWSカテゴリーへ進出です)

Jabra Elite 65tに話を戻すと、BluetoothはVer 5.0、最大10mのワイヤレス動作範囲に対応し、最大8台のペアリングリスト、2台同時のデバイスに接続も可能です。バッテリーの駆動時間は最大5時間で、フル充電のケースも含めると、合計15時間駆動。この分野の製品としては、長時間の利用が可能な点も強みです。コーデックはSBCだけでなく、AACもサポートしています。

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防水防塵はIP55等級なので「粉塵からの保護 & いかなる方向からの水の直接 噴流によっても有害な影響を 受けない」程度の保護性能です(Jabra Sound+アプリでの登録をすると、水と埃に対する2年間保証を受けることができるそうです。ちなみに今回レビューしているのはElite 65tですが、後発で登場したElite Active 65tはIP56でより防水性能が高い保護等級になっています。

4マイクテクノロジーによってクリアな通話パフォーマンスとANC効果を実現、というのがJabraの主張ですが、ノイズキャンセリング性能に関してはおまけ程度に考えておいた方が良いと思います。このサイズに強力なANC性能を搭載するのはもう少し先の話になりそうな気がします(ノイズキャンセリングを重視するならSONY WI-1000Xなんかが現時点ではおすすめです)。追記:しばらく継続して使い続けていますが、パッシブで遮音するタイプの有線イヤホンと比較すると、思ったよりもノイズキャンセリングの効果を感じ取れるようになりました。ノイズキャンセリングをメインに購入するようなイヤホンではないといまだに思いますが、ANCの効果はそこそこ有効のようです。

Alexa、Siri、Google Assistantの音声コマンドに対応しているのも特徴で、ワイヤレスならでは利便性も良いです。これらの機能が使えるかは接続するデバイスによりけりですが、これからは音声コマンドで操作するUXの製品がさらに増えそうな予感ですが、個人的にはスマートスピーカー然り、他の製品もまだまだ音声での操作インターフェースには慣れてません。

海外なんかに行くと一部国では音声ファイルで会話(WechatやLINEで音声ファイルを使ってメッセージを送るみたいな感じです)をしている様子もよく見るので、普段からスマートフォンをそういった使い方で利用しているなら慣れそうなものですが、日本ではスマートフォンに話しかけてメッセージを送っているのをみかけることはほぼありませんからね。これからも周りの環境がほとんど音声操作のUIにならない限り、個人的には使わなそうだなという気がします。

操作面ではイヤホンを耳から外すと(センサーを利用して?)自動で音楽再生が止まるなど、いくつかの便利な機能も搭載されています。

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イヤーピースは「シリコンイヤージェル」と呼ばれるシリコン系のものが3サイズ付属します。イヤーピース自体に強力な遮音性を感じることはありませんが、音漏れが極端にあるわけでもなく、一般的なレベルかと。BOSE SoundSport Freeなんかと比較すると、音漏れは少ないです。継続して使い続けているうちにANCを効果を感じ取れるようになったので自然と音量を少し低めにしていることも関係しているかもしれませんが、そういった部分も含めて音漏れはあまりきにすることが少ないイヤホンであると感じます。

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少し前おきが長くなりましたが、Jabra Elite 65tはそんな感じの製品です。

【良いところ】

何といっても「左右イヤホンの接続安定性」と「遅延の少なさ」がJabra Elite 65tの特長です。NFMI製品以外で接続がそこそこ安定している製品といえばApple AirPodsがありますが、おそらくAirPodsよりもJabra Elite 65tの方が安定しています。

NFMI製品の最近の評判から左右の接続がほとんど途切れないことは把握していましたが、少し驚いたのが遅延の少なさでした。左右独立型のTrue Wirelessイヤホンというと2018年現在でも遅延のある(左右の時間軸のずれではなく、単純にスマホで再生している動画で流れる音声が遅延する、という意味での遅延です)製品が多い中、Jabra Elite 65tであれば、映画鑑賞くらいであれば十分楽しめます。

もともと無線関連の前身もあるJabraブランドということもあってか、ワイヤレス関連の安定性はピカイチです。特にTWS系のカテゴリーはそこそこ大手ブランドであっても左右の接続が安定しない製品がまだ多いので、「普通のBluetoothイヤホンと同じような感覚で聴ける」というのは強みです。それだけでも購入する価値はありますし、最近は2万円台前半まで価格が下がってきたので、必要以上に高い価格設定でもなくなりました。

【微妙なところ】

イヤホン本体のサイズが少し大きいです。これは個人的な耳へのフィッティングによるものかと思いますが、少し窮屈。筐体自体はエルゴノミックな設計を採用しているためか耳にビッタリですが、サイズそのものが少し巨大です。

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(ダミーヘッドに埋め込んでみました)

上の写真2枚はそこそこ小さなダミーヘッドに装着してみた例なのでかなり極端ですが、実際の大きさでいうとJabra公式サイトに掲載されているモデルの写真くらいです。ですので見た目だけならほとんど気にならない、目立たないデザインかと思いますが、あくまで装着感が少し窮屈、という話です。

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死ぬほど気になるわけでもありませんが、2~3時間装着していると流石に疲れてきます。個人的には外出時にサクッと音楽やポッドキャストを聴くときに使う程度ですが、もし半日ずっとつけていたり、ということであればかなりきつそうです。追記:少しひねって、モデルの画像にあるように装着してみると、だいぶきつさは緩和されました。それでもずっと付けていると快適なイヤホンかと言われれば、いたって普通なので、カナルの形状と大きさ次第のような気もします。装着角度によってはそこまで悪くはありません。

音質に関しては、特段優れているとは思いません。個人的には200ドル前後の左右独立型イヤホンとしては十分と思える解像度で、昨今のワイヤレス製品のように大胆に低域をブーストさせた感覚もないので、バランスは良いような気がします。接続性をもっとも重視する方であれば、いくらでも安く感じそうなものですが。

最後に、充電ケースがかなり開けにくいです。実使用の面で問題が感じるというわけではありませんが、油断すると力を入れすぎて開けた瞬間にイヤホン本体が飛んでいったことがあったので、なるべくやさしく開けるか、落として困らないような場所で取り出すのが良いかと思います。

【所感】

NFMI技術を採用した左右接続の安定性に関しては評判通りで、ここを一番に重視するのであればおすすめしたい製品です。音質面では流石に有線モデルにはまだ及ばない印象ですが、IP55でエクササイズにも持ってこいですし、2万円台の価格設定も安定性を考慮すれば納得の価格帯の製品でした。ワイヤレス・カテゴリーでのNFMI技術採用製品というのは個人的にも期待しており、今回レビューしたJabra Elite 65tのみでなく、他の製品も機会があれば試してみたいところです。