Gloriousブランドのゲーミングマウス「Glorious Model D」を購入・しばらく使用したので、実機をレビュー。GloriousからはもともとModel Oが発売されていたのですが、Model Dシリーズはエルゴノミックな形状を採用した右手用マウスです。
ゲーミングマウスとしては十分低価格であり、マウスとしては大型な部類に位置するものの肉抜き仕様で約68gという軽さが特徴。柔らかいコードやLODの短さも優秀で大型軽量マウスを求めていた方には良い選択肢かと思うので、チェックしていきます。
Glorious Model D レビュー
Gloriousブランドといえば肉抜き軽量のゲーミングマウスで有名ですが、ほぼ左右対称のModel Oが登場したあと、エルゴノミック形状のマウスとして登場したのがModel D。
軽量やRGBといった部分は受け継ぎつつも、このマウスは「ゲーミングマウスとしては大型なのに軽い」というのが最大の特徴かと思います。このサイズのマウスではトップクラスに軽いので、「Lサイズの軽量マウスが欲しい」という需要を満たしてくれる、珍しい製品でもあります。
例えばZowie EC1やLogitech/Logicool G403/G703、Razer Deathadder、Manbaシリーズなど比較的大型マウスを利用していて重さが気になっていた、という方には試してみてほしいところ(Razerは最近小型モデルをラインナップに追加しましたが)。
ちなみに重さですが、今回購入したのはマットモデルなので68g。グロッシーモデルは1g重いだけなのでどちらを選んでも良いと思いますが、グリップに関わるのでレビューは見ておいたほうが良いかと。
デザイン・形状・グリップ
基本的にはGloriousシリーズのマウスデザインで、Dはエルゴノミックな形状を採用しているのが大きな違い。ボタン以外の形状は左右対称なModel Oも持っているのですが、Model Dのほうが高さがある分、ホールドした感触はかなり大きく感じます。
横幅もそれなりにあるのでLogicool G703hのように小指で右側を安定させやすいですし、親指・サイドボタン部分のカーブ傾斜も丁度良く、持ちにくさはほとんど感じません。
ゲーミングマウスとしては大型なため、手のひらをべた置きしたパームグリップ(Palm Grip/かぶせ持ち)にはおすすめな反面、手のサイズによってはクロウグリップ(Claw Grip/つかみ持ち)、フィンガーティップグリップ(Fingertip Grip/つまみ持ち)は少しし辛い印象を持ちました。
あくまで個人的な手の大きさ・指の長さでのレビューなので参考程度に見ていただきたいのですが、Lサイズマウスはパームグリップ以外使いにくいです。あとは縦に長いIE3.0系形状なので、個人的な要望としては少し縦に短くても良いかなと。
Gloriousマウスの良いところは、より小さなマウスを欲しい方向けに「-(マイナス)」シリーズを発売しているところです。Model D-やModel O-は形状やセンサーをそのままに、小型軽量なマウスが買えたりします。なので通常モデルのDやOが好きでも少し大きすぎると感じる方は、小さなオプションがあるのは良いです。
製品名 | Model D |
---|---|
センサー | Pixart PMW-3360 Sensor |
メインスイッチ | Omron Mechanical Rated For 20 Million Clicks |
ボタン数 | 6 |
最大トラッキング速度 | 250+ IPS |
重量 | 68g(グロッシーモデルは69g) |
加速 | 50G |
最大DPI | 12,000 |
ポーリングレート | 1,000Hz(1ms) |
LOD | ~2.0mm |
ケーブルタイプ | Ascended Cord (ultra-flexible) |
コネクター | USB 2.0 |
ケーブル長 | 2m |
マウスフィート | G-Skates 0.81mm |
Logitech/Logicoolなんかだと、G703形状そのままの小型マウスがないですからね。その点Gloriousはモデル数は少ないですが、大小選べるのがうれしかったりします。ただRazerもViperやDeathAdderシリーズで小型版を出していたりするので、「同じ形状で異なるサイズ」のゲーミングマウスは、今後トレンドになるかもしれません。
RGBは両サイド、マウスホイール部分に配置されており、見た目も良好なマウスです。ライティングにも種類がいくつかあって、ソフトウェアをインストールすれば変更ができます。
Pixart PMW-3360センサー、LOD(リフトオフディスタンス)、G-Skates マウスフィート・ソール
Glorious Model DはPixartのPMW-3360センサーを採用。D-、O、O-も同じセンサーを使っているのですが、今までの使用で不満は全く出ませんでした。ほかのマウスでも採用歴がそこそこあり、優秀なセンサーかと思います。
最大DPIは12,000、加速50g、最大トラッキングスピードは250IPS超、ポーリングレートが最大1000Hz(1ms)と、トップティアっぽい感じのスペックが並びます。G-Skatesのマウスフィートと合わせて、スムーズなトラッキングが可能でした。
LOD(リフトオフディスタンス)も短く優秀です。はじめ使い始めたときは感覚的に少し高いかなとも思っていたのですが、実際にはマウスの軽さとG-Skatesの滑りの良さがそう感じさせていたようで、実際のLODはソフトウェアの2mm設定で、1mm+くらい。ちなみにマウスパッドはHyperX Fury S。
LODの感度的なものはマウスパッドの表面によっても変化するかとは思うのですが、Model DのLODは短く個人的には使いやすかったです。ただ付属マウスフィートとしては滑り易さが半端ないので、G Pro Wirelessなどから変更するなら、センシを少し下げても良いかもしれません。
Gloriousのゲーミングマウスには「G-Skates」というマウスフィートが標準採用されているのですが、純度100%のPTFEで、標準搭載されているソールにしてはかなり滑り易いです。
G Pro WirelessやRazer Viper Ultimateの標準ソールよりも明らかに滑るので、滑りやすいマウスフィートが欲しかった人には向いています。またModel Dには追加で大型のマウスソールが同梱されているので、このあたりもカスタマイズできます。
耐久面で厚みを0.81mm持たせており、全体的にみても良いマウススカートです。約68gという軽さも相まってG Pro、Viper Ultimateユーザーには少し飛びすぎる印象ありです。そのため(あんまりおすすめはしませんが)Model Dを使用する際はマウス感度を少し落としてます。
マウスボタン
どのボタンも非常にクリッキー。左右クリック、サイドボタンも反応は良く、感触はベストとは言えませんが、良いです。
まず左右クリックですが、クリック感は良好。オムロン製らしい。形状や持ち方のせいか、ViperやG Pro Wirelessと比較すると単発連射が若干し辛い印象を受けました。たぶんこの3つの中ではG Pro Wirelessのクリック感が軽くバウンスの感触も良いので連射しやすかったりします。
サイドボタンは大きめに取られており、若干出っ張りもあるので押しやすいのが特長。G703、Zowie ECシリーズユーザーならすんなり慣れそうな配置ですね。
マウスホイールもスムーズで、以前の軋みのようなものも改善されているようです。マウスホイールのクリックも軽めなので、Pingするのも随分楽でした。最近のBRゲームでは結構重要です。
ソフトウェア
- ボタンマッピング
- DPI設定
- LOD設定
- ポーリングレート設定
- デバウンスタイム設定
専用ソフトウェアをインストールすると、DPIやボタン割り当てはもちろん、LODやポーリングレート、デバウンスタイム設定なども変更できます。
このあたりは自分の利用環境に応じて変更していきたいですが、筆者はLOD最小(2mm ※最小設定は2mmだが、Glorious Model DのLODが2mmになるというわけではないので少しわかりにくい)、1000Hz、デバウンスタイムはデフォルトで利用しています。
デバウンスタイムというのは次のクリックに関する時間調整のようなものですが、設定によって高速連射入力が変わってきたり、意図しないダブルクリックの誤爆を防げたりします。最短が4msなのですが、今のところ4msで問題が起きていないので、最小設定で利用しています。
設定面では必要なものがわかりやすく画面上に配置されている印象で、余計なギミックもないので使いやすいと思います。
Lサイズの軽量ゲーミングマウスを求めている方におすすめ
Glorious Model Dですが、大型Lサイズにおいて約68gの軽量マウスという点が一番の特徴かと思います。初期のGioriousマウスはケーブル断線や全体の品質に怪しいところもあったのでメインマウスとして使うことがなかったのですが、最近はそのほとんどが改善されたようで、とりあえず現在G703、Zowie ECユーザーはチェックすべきマウスです。
加えて価格も安く、Model O発売当初と比較すると在庫も安定しているようなので、今後メインマウスとして長く使おうと考えている方にも、ブランドとしては希望が持てそうですよね。