【レビュー】FiiO FA7、Knowles 4BAのマルチドライバー・イヤホン

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FiiOのイヤホン「FiiO FA7」を購入したので、実機をレビュー。FiiOの最新シリーズにはFH(ハイブリッド型)とFA(BA型)がありますが、今回のHA7はKnowles製BAドライバーを片側に4基ずつ搭載したマルチドライバーのイヤホンです。

密集したエネルギッシュなサウンドが魅力のイヤホンなので、そのあたりをチェックしていきます。

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FiiO FA7 4BAドライバー搭載イヤホン・レビュー

FiiO FA7は、2020年に登場した中国 FiiO Electronicsのイヤホン。日本国内では2020年7月に登場したモデルです。

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冒頭で説明した通りFAシリーズはBA(バランスド・アーマチュア)型のドライバーを搭載したイヤホンで、現在はシングルBAのFiiO FA1、左右6基ずつ搭載した現状フラグシップのFiiO FA9もあります。

FiiO FA7は左右に4基ずつのBAドライバーを搭載したマルチドライバーイヤホンで、シリーズとしては中堅モデルにあたります。

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ドライバーは全てKnowles社のBAドライバーが採用されており、低域に「CI-22955」、中域に「ED-29689」、高域にはカスタム仕様の「SWFK-31736×2」を内蔵した4WAY・クロスオーバー構成です。

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音導管は3つに分けられており、内部のドライバーからつながって低中高に分けられているようです。こういった設計はJH AudioはじめIEMでは最近よくみる設計ですね。

FiiO FA7 スペック・製品仕様

  • Knowles 4BA
  • 周波数帯域 20Hz ‐ 40kHz
  • インピーダンス 23Ω
  • 感度 110㏈/mW

このあたりの設計はFA9だとより複雑なローパスフィルターとして機能する音導管設計なのですが、FA7は本体を見る限りもっとシンプルに音導管までつながっています。

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シェルにはHeyGearsの3Dプリント技術が用いられ、クラスIIa医療機器規則適合のドイツ製高透明度樹脂素材が採用されています。 透明感のある素材の中に、美しく配置されたドライバーが確認できます。

ハイブリッド型のFHシリーズにはメタル素材がシェルに採用されていますが、樹脂製で3DプリンティングされたFAシリーズと比較すると、装着感で差が出てきます。

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耳型は個々で異なるので一概にFAシリーズのシェルが優れているとは言えませんが、筆者周辺の評価も総じて3Dプリンティング・シェルのFAシリーズのほうが装着感が良いとの評価でした。

コネクターはMMCX、ケーブルは1.2mの銀メッキ高純度単結晶銅導体を採用。プレイヤー側のコネクターはL字側。ツイストされた線材がビニール系の外装によって守られており、剛性と長期間利用において安心感があります。

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取り回し易さに関しては悪くはないものの、ビニール系の外装によって守られていることもあってか、最も柔らかいケーブルとは言えません。

また耳掛け部分のチューブは取り外しができないので、特に宅内など静かな場所で利用する場合に、眼鏡と接触した際のタッチノイズが少し気になりました(もちろん、MMCXなのでこのケーブルはいつでもリケーブルできるメリットがあります)。

全体的なケーブルの品質は素晴らしいのでそのまま利用することに何の抵抗もありませんが、ケーブルノイズに一寸も耐えられない方は、リケーブルを考えておくと良いかもしれません。

その他付属品ですが、ペリカンケース、布ケース、イヤーピース、クリーナー、マグネットの収納バンドなど、いつものFiiOらしい充実した付属品です。

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イヤーピースはバランスタイプ、ボーカル重視、ベース重視でそれぞれ3サイズ、ダブルフランジのMサイズが1つ、メモリーフォームはMサイズが3つ付属します。

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イヤホン本体の音導管にもイヤーピースにもダストフィルターはついていないので、定期的にクリーニングをおすすめします。

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FiiO F7の音質・傾向

  • プレイヤー:Windows 10 PC
  • DAC・AMP:Chord Mojo, iFi Zen DAC

【FiiO FA7のサウンド傾向】

・リッチな中低域(と価格に対しての解像度)

まずFiiOイヤホン全体の傾向として、リッチでパワフルなリスニング向けのサウンドを目指しているように思います。FA7もそういった傾向にあり、ブランドごとの背景も関係しているのかなという印象を受けました。

FiiO FA7の傾向としては、低域から中域にかけて音が太く、高域がそこに乗っかるような感覚です。重心は間違いなく中低域にフォーカスされており、高域がうまく乗ってくる曲に関しては非常に心地が良いイヤホンです。

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QDC Uranusとの違いは顕著で(ドライバー構成も異なるので当然といえば当然なのですが)、QDCのようなミュージシャン・ミキシングなど音楽をプロデュースする側のIEMを送りだしてきたようなメーカーのイヤホンは、どちらかといえばセパレーションの面で非常に聴きやすいイヤホンに仕上がっているモデルが多いです。(これは周波数帯域のバランスではなく、単純にセパレーションの分かりやすさで、という意味です)。

FiiO FA7は価格に対しての解像度やビルドクウォリティは素晴らしいのですが、特に中低域で若干ウォームな傾向にあり、全体的に密集したエネルギッシュなサウンドに仕上がっています。

楽しむためのリスニングにおいては非常に良いのですが、モニタリング用途のイヤホンを探している場合にはもっと別の選択肢があるのかな、というのが正直な意見です。これは単純に密集したエネルギッシュな空気感というだけで、FiiO FA7の定位や音場表現に関しては優れているように思います。

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総じて女性ボーカルのロックバンドに関しては心地よく聞けたものが多かったです。暖色系のサウンドが悪させず、ボーカルが気持ちよく聴けていて、一方で低域多過剰に感じる曲もあり、曲によって聴きたいYESとNOのチェックが分かりやすく入るような毎日のリスニングでした。

音場・定位と解像度は十分なので、ベースはブリーチしないように少し量感を下げて、セパレーションが改善すると個人的な好みとしてはバランス良くもっとたくさんの曲で使えるようになりそうです。ただEQでの修正はなかなか難しいところもあり(そもそもEQにはあまり触れませんし)、またこういったエネルギッシュなサウンドの部分がFiiOのイヤホンの良さだったりもするので、相性の良い曲にのみ使っていくのが良さそうです。

ちなみに今回のレビューですが、リケーブルしてiFi Zen DACの4.4mmバランスで試したところ、ヒスがありました。ほかの方のレビューをみてもヒス注意報がでてますし、他のイヤホンでは問題なかったので、つなぐ機器やアウトプットに関しても購入前に確認しておくと良いかと思います。