久々にBluetoothイヤホン「BOSE SoundSport Free Wireless Headphones」を買ってみましたので、しばらく使ってみての所感などをズラズラと書いていこうと思います。
実は私自身左右独立型の完全ワイヤレスイヤホン、所謂”Ture Wireless EarBuds”とか呼ばれるジャンルのそれはいくつか使っており、今回購入したBOSEの他に、SONY WF-1000XやApple AirPodsなども持っているので、比較などもちょびちょびしつつ。
SoundSport Freeは当然「スポーツ向け」というところがあるので他の完全ワイヤレスのモデルとも少し異なるわけですが、この手のイヤホンではベスト音質に感じたので、その辺りも少し書いてみたいと思います。
BOSE SoundSport Free wireless Headphones 完全ワイヤレスイヤホンのレビュー
今回レビューするのは「BOSE SoundSport Free Wireless Headphones」です。
iPhoneがイヤホンジャックを廃止してからというもの、Bluetoothのワイヤレス・イヤホンというのは波が来ていますが、今回のSoundSport Free Wirelessはその中でも「Ture Wireless」というカテゴリーの完全左右独立型でケーブル無しのイヤホン。
最近は製品も多くあるので選択肢も増えてきているのですが、 Apple AirPodsやSONY WF-1000Xや使ってきた私が最終的に行き着いたのがBOSEのモデルだったりします。
最初に要点だけ説明しておくと、こんな感じでしょうか。記事中で少しずつ話していこうかなと思います。
- 左右独立型の完全ワイヤレス・イヤホンの中では、価格は高い方である。
- バッテリーは結構持つ。
- スポーツ向けモデルで外音が聴きやすくなっている分、遮音性は低いし音漏れもある。
- その分この手のイヤホンとしては、開放的でこもりのない音質が魅力。
- 音質といえば、低域の量感が特徴。
- 発展途上のカテゴリーとしては、良い選択肢の製品
デザインなど
実は今回購入したカラーは「ブライトオレンジ」。
シンプルなカラーの「トリプルブラック」やアウトドア映えしそうな「ミッドナイトブルー×イエローシトロン」もあったのですが、今回はビビットなオレンジに惹かれて買いました。
クリアなフェイスプレートのなかにオレンジカラーのデザインが施されているのですが、独特なデザインです。ウッド調とも言えそうですが、オレンジのカラーは”ブライトオレンジ”というくらいですから結構明るめで、フィットネスの環境で映えるようなデザインを意識しているのかなとも思います。
本体をみても実感できませんが、”IPX4″相当の防滴仕様だそうです。IEC規格なのですが、性能的には「あらゆる方向からの飛沫による有害な影響がない」とのことで、水中に入れたりすると壊れる可能性があるので注意。それでもスポーツタイプのイヤホンということで、防滴になっているのは良いですね。
スポーツタイプということで、オープン型のイヤホンのような感じです。遮音性は低く外音が聞こえる設計なので、例えば車が走っている音などは普通に聞こえます。電車通勤時の利用がメインだとか、そういった場合に大容量でいつも聞いている方は注意が必要かと思います。あくまで”スポーツタイプ”というところは要確認です。
操作インターフェースも本体に搭載されており、
- 左型にBluetoothボタン
- 右型に音量操作他、操作ボタン
があります。ボタンが硬くて少し押しにくいというのはあるのですが、この辺りは操作方法の項目でもう少し説明します。本体側にBluetoothのインジケーターもあります。
イヤホンのノズルをみてみると、かなり特殊な構造です。
通常のイヤーピース・イヤーチップと言えば「はめる」タイプが多いと思いますが、この”StayHear+Sportチップ”では「はめる+引っ掛ける」タイプです。左右独立型でケーブルもないTure Wirelessなだけに、耳からイヤーチップがずれ落ちないように工夫されているものと思われます。
このStayHear+Sportチップは本体に最初から取り付けられているものが1つ(Mediam)。またSmall、Largeも付属するので、計3種類のサイズが付属します。
特にスポーツ用に「耳にしっかりステイする」という部分が重要なので、購入後は先にフィッティングを行うべきですね。個人的な話でいうと、Mediamでは走ると落ちそうになるときもありましたが、Lならガッチリフィットしました。
電池持ちが長いのもSoundSport Freeの特徴の1つ。イヤホン本体が満充電の状態で5時間の連続再生が可能なので、5時間連続で聞くこともないので、十分すぎる電池持ちです。
ケースが充電器も兼ねており、ケースがフル充電されていると、SoundSport Free本体を2回分充電できます。
つまり本体5時間 + 充電2回分なので、満充電されたケースを持ち運べば15時間ほど連続再生ができるわけです。これは2018年の完全無線型のイヤホンとしては優秀で、Apple AirPodsを除けば、トップクラス。
ちなみにケースからイヤホン本体へは、15分の充電で45分間使える急速充電が行えます。このモデルは充電・電池持ちの面で多くの競合他社製品と比較して強みのある部分でしょうね。
イヤホン本体はそこそこ大きさがあるので、見た目を気にする方は気になる部分もあるかもしれません。
個人的にはBOSEらしいデザインは好きですし、Apple AirPodsのように耳からうどんルックスにはならず、SONY WF-1000Xのようなギミック感のありすぎるデザインでもないですし。
装着感・フィット感
- Apple AirPodより耳にステイする
- WF-1000Xの方が楽
BOSE SoundSport Freeは手に持った時のサイズ感をそこそこに感じるのですが、実際に耳に装着してみると、そうでもありません。ここはおそらくStayHear+Sportイヤーチップが効果を発揮しているところで、フィット感は良好。
Apple AirPodsのようなインナーイヤー型は、スポーツで激しい運動をすると耳からたまに落ちます。そういったところでいうと、カナル型とも言えるBOSEのそれとWF-1000Xはずれないメリットが高いです。
ただカナル型といってもWF-1000Xほど耳に押し込むタイプではないですし本体サイズもそこそこにあるので、本体サイズが小さく、より耳に押し込める1000Xの方が耳にステイするかなという印象。あくまで個人的な耳で、の話なので、この辺りはフィッティングをお勧めします。
…全体的なフィット感に関しては十分満足で、イヤーピースのフィッティングをした後は、ガンガンフィットネス用途に使って問題ないと思いますね。
遮音性・音漏れ
遮音性は低く、音漏れも結構します。
これは当然スポーツタイプのイヤホンということで、例えば車が後ろからきている音を察知したり、安全面の観点からきているものと思われますが、とにかく遮音性は低く音漏れもするので、この辺りを重視している方は他のイヤホンを見た方が良いでしょう。
遮音性が低い代わりに、開放感も伴っており、音質的には低域に量感があるのですが、こもりを感じないメリットもあります。この辺りもうまく設計されているのでしょうね。
操作インターフェースや操作方法について
あまり使い易いとは言えません。ボタンの位置は問題ないのですが、押すのにそこそこ力がいります。
…耳にSoundSportを着けたまま操作をする気にならないので、基本的には耳から外してボタンを押すか、もしくはiPhoneやAndroidなど、スマートフォン側で操作をしてしまうことが多かったです(個人的にはもともとイヤホン本体で操作をすることが少ないので、そういった理由もあります)。
操作方法に関してですが、少し説明した通り左側にBluetoothボタン、右側に音量調節とマルチファンクションボタンが搭載されています。
ケースからイヤホンを取り出すと、電源が自動でONになります。
ケースにしまうと、電源は自動でOFFになります。
ボリュームの調節とマルチファンクションボタンの使い方はこんな感じ。再生停止は当然できますし、曲の先送り/巻き戻しも可能です。
通話関連の操作も可能で、着信に応答したりできます。
…といったところでイヤホン本体で操作が様々できるのですが、すでに説明した通りボタンが硬いのとそもそも覚えるのが面倒、というところもあって、実際にはスマートフォンから操作することがほとんどです。
BOSE CONNECTアプリ & ファームウェアのアップデート
普通に設定からBluetoothを接続しても使えますが、BOSE CONNECTアプリを使っても接続できます。
こちらも正直あまり使わないですね。まずBOSE SoundSport Free WirelessはソニーWF-1000Xのように多機能ではないのでほとんど接続用途のみですし、他に使うと言えばイヤホン本体のファームウェア・アップデートくらいでした。電池残量や登録している機器の管理、音量調節が行えますが、これらはほとんどアプリなしでもできてしまうのであまり使わないかな、という。
アプリから「Find My Buds」を利用すると、SoundSport Freeの位置を探すこともできます。
Bluetoothコーデックなど
BOSEから多分公表されていない情報だと思うのですが、Androidスマホで接続してみたところAACの表示は出てきたので、AACは対応しているみたいですね。iPhoneやiPadでは見れないのですが、おそらくAACで接続されているものと考えられます。
AptXやaptX HDに対応しているAndroidスマートフォンとも接続してみましたが、これらのコーデックで接続すると出るはずの画面表示はなかったりするので、とりあえずSBCとAACをサポート、ということなのだと思いますね。
Bluetoothの接続・不具合など
左の音声がたまに途切れます。
これは多く報告されているところで、多分完全左右独立型のイヤホンであることからくるものでしょう。
接続の面に関しては2018年前半の製品というとApple AirPodsの精度が圧勝で、それだけまだ左右独立型のワイヤレス・イヤホンというのはまだまだ成熟していない分野と言いますか、これからこういった根本的な問題を解決したイヤホンというのは、今後出てくることかと思います。
(QualcommがTureWireless Streo対応のQCC5100チップを発表したりしているので、今後製品によっては安定した接続の実装も、簡単になったりするのかもしれません)
ただBOSE SoundSport Free Wireless Headphonesが全然使えないかというと全くそういうことはなく、あくまで「(少し変な表現ですが)ケーブルありのBluetoothイヤホンと比較して」というレベルなので、普通に使えます。
Bluetooth接続の精度・安定度で言えば、
Apple AirPods >>>>>>>>> BOSE SoundSport Free Wireless Headphones >> SONY WF-1000X
という個人的な印象で、全体的な安定感で言えばAirPodsがダントツで1番、次にBOSE Soundsport Freeが次点といったところでしょうか。
追記:接続だけでいうと最近はNFMI技術を搭載した製品がかなり良いです。Jabra Elite 65tはびっくりするくらい左右が途切れないので、接続の安定性だけを重視するなら現在は他の選択肢は多いかなという気がしてきました。
動画の遅延など
iPhone Xとの接続で、Youtubeだけわかる程度に若干遅れます。
他のレビューでもいくつか同じような声があるようですが、Youtubeの動画再生などを見ていると、若干遅延しているのはすぐわかります。Netflix、Hulu、Amazon Primeだと体感遅延はほとんどないのでなんでかなあと思うのですが。
2018年3月時点で最新のファームウェアに更新しているのですが、YouTubeに関しては改善していないですね。まあカジュアルに使う分には気にならない程度ですが、遅延を嫌う方は一発でわかるレベルにYouTubeの音声は遅れるので注意が必要かもです(そしてソフトウェアのアップデートで解決する問題なのかはわかりません)。
他のBOSE製品ではここまで遅延がわかることは滅多にないので、完全ワイヤレスの左右独立型であることからくる問題かと思いますが。こういった部分はAppleのAirPodsが圧勝ですね。
Apple AirPodsの凄さはBluetoothの接続が安定している点や遅延が少ない点、iOS端末と接続が簡単な部分だったりするので、そういったところを1番に重視する方であれば、AirPodsを検討しておくのが良いと思います。
音質など
左右独立型のTure Wireless EarBudsの中では、SoundSport Freeは一番良い気がします。
- 解像度はTure Wireless EarBudsとしてはピカイチ
- 低域の量感が十分で、まさにスポーツタイプ
- 開放感も併せ持つので、嫌味がない
音質は AppleのAirPodsが個人的に微妙と感じるところで、まあ基本的にはEarPodsと同じなのですが、BOSEのSoundSport Freeと比較すると解像度はかなり変わってきます。
全体的としては低域に量感を持たせた音質傾向で、スポーツタイプということもあってか、最近のテンション上げめなEDM、POPミュージックに合うチューニングを目指したのかなと勘ぐってみたり。BOSEはもともと低域に独特の特徴があるブランドな気がしていますが、SoundSport Freeは思っていた以上に低域に量感がありましたね。
低域に押し出しがあるのですが、面白いのがミッドもハイも、ある程度気持ち良く聴けるチューニングになっているところでしょうか。これはおそらく開放型っぽいところで低域によって他の音域がマスクされないようにうまく設計していると思っているのですが、おかげで解像度・低域の乗り具合共にこのカテゴリーのイヤホンとしては一つのベストな選択肢に感じます。
BOSEの完全ワイヤレス・イヤホンを使ってみての所感など
まずはスポーツタイプというところで、合わせて遮音性を低くすることで外音を聴こえやすくしたり、それによって開放感を音質の面で演出しているのも秀逸だと感じました。
当然音漏れそこそこがあったりというところで一長一短の製品ではありますが、そもそも用途がスポーツタイプという部分がひしひしと伝わるイヤホンなので、この辺りを理解して購入するとハッピーに使えそうです。
Apple AirPods、SONY WF-1000Xも合わせて使いましたが、トータルでバランスが良いのはBOSE SoundSport Free Wireless headphonesですね。音質の面でエクササイズの時に利用すると考えると一番好みですし、WF-1000Xに関しては接続が不安定すぎて実用性に耐えないので、私としては最終的にこのBOSEの製品に落ち着きました。
最近もNoble Audio Savannaを買ったり、没頭して音楽を聴きたいときにはワイヤードのイヤホンを利用することがまだまだ多いのですが、いざBluetoothのポータブル製品、特に今回のような左右独立型の完全ワイヤレスのイヤホンを使ってみると、その利便性を実感できます。
もちろんこのジャンルのイヤホンは最近になって人気が出てきたというか、まだ発展途上の製品群ではあったりします。ではそんな中からどの製品を選びたいか?と思ったときに個人的にはこのBOSEの製品を総合力で選択したわけですが、今回紹介したようにそれぞれメリットやお勧めできる用途が異なるので、まずは試してみるのが良いと思いますね。
最近NFMI(Near Field Magnetic Induction)を搭載したJabra Elite 65tを購入したのですが、接続の安定性に関してはJabra Elite 65tのほうが格段に上でした。もしかするとAirPodsよりも良いかも、というくらいなので、音質はまた別として、今後完全左右独立型のワイヤレス製品をみるならNFMI技術が採用されているかは一つのキーポイントになりそうな気がしています。