オーディオテクニカのモニターヘッドフォン「ATH-M40x」を購入したのでレビューしてみたいと思います。
オーテクのプロフェッショナルモニターモデルといえばイヤホンの「ATH-E」シリーズ、開放型高級モデルの「R70X」がありますが、今回購入したのは密閉型のヘッドフォンシリーズ「ATH-M~x」シリーズの中でも、中位モデルにあたる「ATH-M40x」です。
オーディオテクニカ「ATH-M40x」レビュー
Audio-technicaのモニターヘッドフォン、密閉型ではATH-M~xで「20/30/40/50/70」と基本的には数字が増えるにつれて高級モデルになっていくわけですが、今回レビューするのは1万円弱の中間モデル「ATH-M40x」です。
まずはヘッドフォンのスペックをサクッと紹介。密閉ダイナミック型のオーバーイヤー有線ヘッドフォンで、コードが1.2mのカールコード(伸長時3m)と、ストレートコード3mの2種類がついてきます。
- 形式:密閉ダイナミック型
- ドライバー:φ40mm、CCAWボイスコイル
- 出力音圧レベル:98dB/mW
- 再生周波数帯域:15-24,000Hz
- インピーダンス:35Ω
- 質量(コード除く):240g
- プラグ:φ6.3mm標準/φ3.5mm ミニ 金メッキステレオ2WAY
- コード:OFCリッツ線1.2mカールコード
- コード2:OFCリッツ線3mストレートコード
ATH-M40xのデザイン
ブラックの本体がシンプル。パーツは基本的にプラスチック素材を利用していますが、スライダー内部は金属素材。意外とごついので、耐久性はありそうです。
イヤーカップ部分。オーテクのロゴがシルバーに光ります。デザインは所謂モニターヘッドフォンらしくブラック調なので、ファッションにも割と合わせやすいのかなと思います。
スライダー部分は調節可能。ここには金属素材が使われています。
イヤーパッド。1万円弱のヘッドフォンですが、特段高級感のある素材ではありません。イヤパッドも2~3万円モデルにあるようなフカフカという感じでもないので、少し使い込まないと硬め。ただし耐久性のあるイヤーパッドということなので、個人的にはSONYのMDR-1Aのフカフカ系よりこちらの方が好きかもしれないです。
ヘッドバンドも高耐久性のある素材を利用。アーチはそんなにないので、頭のてっぺんはヘッドバンドに当たると思います。
片耳モニタリングが可能な90度反転モニター機構を採用。また折り畳み可能でポーチもついてくるので、サイズは大きいですが持ち運びができなくもないです。
(ちなみに価格の安いATH-M20xという選択肢もあったのですが、こちらは折り畳みできないので断念しました。)
ヘッドフォンとのコード接続部分はロック式になっており、差し込んでから白い線に合わせてねじることで外れなくなります。まあ普通に音楽聴く人はいらないですが、音楽制作などで利用する人で動いたりということがあれば必要かも。中の人は別にいらないですね。
外での音楽鑑賞用ならATH-M50xでも良いかも
コードは1.2mのカールコードと、3mのストレートコードが付属します。つまり着脱式です。
実はリケーブルが可能になるのはM40xからで、M30xとM20xはケーブル一体型かつ3mコードなので、外出時にメインで音楽鑑賞用ヘッドフォンとして使う場合はM40x以上でないと結構大変。
少し盲点だったのは、M40xのカールコードが意外と重く、ビヨンビヨンと垂れ下がること。1.2~1.3mのストレートケーブルがあれば良いのですが標準セットにはついてこないんですよね。中の人はDJでもないですし、ここはデメリットでしかない。
ちなみにATH-M50xには1.2mのストレートコードが付属するのでこちらの選択肢もあったのですが、M40xに関しても着脱式なのでなんとなくいけるかなという気はしています。
ただしM50xに関しては価格が2万円前後なんですよね。どうやらオーテク公式サイトを見るとM50xのページで1.2mケーブルが別途注文可能になっているようなので、購入できるならM40x+1.2ストレートコードを別途購入という選択肢がお得かと思います。
ATH-M40xはモニターヘッドフォンらしく解像度高め
フラットな音で、解像度はやはり高いです。味付けはかなり少なく、全域でしっかり鳴らしてくれる印象。「これで1万円弱か」と考えると、解像度優先ならモニターヘッドフォンも購入の選択肢にいつも入れておくべきだなとつくづく思いました。
インピーダンスが低めですが、プレーヤー次第では音量が意外にとりにくいような気も。音楽観賞用で使う場合にスマホやDAPで少し物足りない時は、ポタアンなど導入を考えて良いかもしれません。
M50xとM40x両方家電量販店で試聴してみましたが、個人的には価格差以上のものはM50xに感じることができませんでした。コスパ重視ならM40xを買うべきだと思います。
持ち運びはちとキツイ
ヘッドフォンがでかい。これはもうしょうがないです。もちろん折りたたみができるので一応持ち運びもできますが、外出先で標準セットのカールコードや3mストレートコードを利用するのは、意外としんどい。
自宅用なら問題ないでしょう。
新品は側圧強め。時間をかけて慣らして行くべし
電気屋で試聴した際はかなり利用されていたのでそこまで締め付けは気にならなかったのですが、新品だと側圧が結構強いです。
もちろんこちらも長期間の利用や何かを挟んで調整すれば問題ないです。買ってから時間をかけて自分色に使い慣らしていく(ケーブル購入含め)という部分もあって、愛着が湧いて楽しめるヘッドフォンとも言えます。
あとはイヤパッドの素材的に、頭を振ると意外に滑ります。購入前にできるだけ新しい試聴機をおいているお店でフィッティングしてみると良いかもしれません。
装着感・音質と価格の総合評価
音質は1万円弱のヘッドフォンとしてはかなり好感触でした。もちろん実機試聴してから購入したのであれですが、解像度重視かつコスパを気にするなら、変に「ハイレゾ対応!」と謳っている2~3万円クラスのヘッドフォンよりもお得感があるような気はします。
個人的には、外用・それも音楽観賞用に利用するにはケーブルと本体の大きさが少し気になりました。またイヤパッドも意外と幅が小さいので、中の人のように耳も頭も大きい人はそれなり時間をかけて音楽観賞用に慣らしていかなければならないという気はします。
家用ならコスパが高く買いですし、外出用のヘッドフォンならケーブルやフィット感が気にならなければなんとかなりそうです。いろんな部分を考慮しても、全体的なコスパはATH-M~xシリーズではピカイチだと思います。あとは価格コムのレビューやAmazon.co.jpのレビューも確認して総合的な情報から選んでみてください。