そういえば最近有線のヘッドフォン、イヤホンばかりになってきて「Bluetoothの接続も1個ほしいな」と思っていた今日この頃、家電量販店で「AT-PHA50BT」というキワモノを発見してしまいました。なんでもこちら、オーディオテクニカが発売している「Bluetooth接続のワイヤレスポタアン」という面白い製品で「まあ最悪Bluetoothレシーバーとして使うか」くらいの気持ちで購入してみました。
・・・ということで、今回はAudio-technicaの「AT-PHA50BT」の実機レビューをしていきたいと思います。
Audio-technica「AT-PHA50BT」レビュー
Bluetoothのワイヤレス対応で、かつポタアンとして機能するという意外と(?)珍しい製品がオーディオテクニカの「AT-PHA50BT」です。
今回購入した経緯ですが↓
「1)とりあえずBluetoothヘッドフォンやイヤホンが欲しいけど、Bluetooth搭載というだけで別の機種を購入するのもなあ・・・ん!? Bluetooth接続OKのワイヤレス型ポタアンがある!とりあえず試してみようじゃないか。」
「2)最悪Bluetoothのレシーバーとして使えるし、これならいちいちBluetooth対応モデルをイヤホン・ヘッドフォンで買いそろえる必要がない。今持っている機種を手軽にワイヤレス化できる!省スペースだし経済的だ、買うしかないな。」
ということで、面白さ半分、利便性半分で購入してみました。価格も1万円弱と安かったので、何個もBluetooth対応ヘッドフォン・イヤホンを購入する金額と比較すればコスパは抜群です。
AT-PHA50BTのスペック
まずはAT-PHA50BTのスペックをみてみましょう。
●通信仕様 通信方式 Bluetooth標準規格Ver.3.0準拠 出力 Bluetooth標準規格Power Class2 最大通信距離* 見通しの良い状態で10m以内 使用周波数帯域 2.4GHz帯(2.402~2.480GHz) 変調方式 FHSS 対応Bluetoothプロファイル A2DP AVRCP HFP HSP PBAP 対応コーデック SBC/aptX/AAC 対応コンテンツ保護 SCMS-T方式 伝送帯域 20~20,000Hz(44.1kHzサンプリング時) ●本体部 マイク型式 エレクトレットコンデンサー型 マイク指向特性 全指向性 マイク感度 −42dB(1V/Pa,at1kHz) マイク周波数帯域 50~8,000Hz 最大出力レベル 50mW+50mW(16Ω,T.H.D1%) 出力端子 φ3.5mmステレオミニジャック 電源 DC3.7Vリチウムポリマー電池(内蔵式) 充電端子 micro USB 充電時間* 約3時間 使用可能時間* 連続通信(音楽再生時):約8時間 連続待ち受け:最大約100時間 外形寸法(突起部除く) H69×W39.6×D10.3mm 質量 約29g 使用温度範囲 5~40℃ 表示部 有機EL(単色)
対応コーデックがSBC/AptX/AACなので、Bluetoothでも音質劣化や圧縮ロスの少ない音楽再生が楽しめるというところが1つのポイント。マルチペアリングで8台まで登録可能で、伝送帯域は20~20,000Hzです。
連続音楽再生が8時間なので、変な話日中ずっと音楽を聴き続けても、電池はなくならないレベル。microUSBで充電なので、汎用性という面でもGoodな製品であることは間違いないです。
驚く点としては、ポータブルのヘッドフォンアンプ、しかもワイヤレスでありながら超絶にサイズが小さい部分。また質量も29gと「これ本当に大丈夫?まともに使えるの?」と思うくらい軽く省スペースです。これで価格が1万円弱ですから、普通の人なら興味本位でちょっと使ってみたくなる製品であることには間違いないでしょう。ええ、中の人もその誘惑に負けた一人です。
AT-PHA50BTの音質レビュー
「Bluetoothでポタアンてなんやねん」という部分が最初は大きかったのですが、聞いてみるとヘッドフォンで何か物足りない時に音量もとれるし、音圧も引き締まってグッと上がる印象。
コーデックもすでに説明した通りAptXやAACに対応しているので、Bluetoothによって音質が劣化したとはほとんど感じないですし、むしろアンプ効果によって音に厚みが出るので、癖のない音のヘッドフォン利用でもう少し音楽鑑賞を楽しみたい時にはありかなと思いました。bluetooth接続によるホワイトノイズなどもほとんどありません。
自前のDAPで試聴した際はあまり変化というかそこまでの音質メリットが感じられなかった、またイヤホン利用ではそこまで必要ないかなという感じもします。
なので「ヘッドフォン+スマホ」直挿しで音楽を聴いているライトユーザーの方で、かつ組み合わせによって音量がなかなかとりずらかったり音の厚みが足りないと感じている方には、音質の向上(もしくは音質の変化)が感じられるのではないでしょうか。
自前のオーディオプレイヤーでしっかり聴けるなら要らないかもしれませんが、スマホ一台で音楽を聴いているユーザーなら気に入るような気がします。
エフェクトモード
4種類のイフェクトモード「Acoustic/Vocal Boost/Base Boost/Virtual Surround」があるのですが、中の人はFLATしか利用してません。普通に音楽を聴く場合に場合には、特にこれらのモードは使わなくて良い気がします。
操作性・携帯性
小型なのでボタンなどは小さいですが、音量調節はかなり細かくできる+調節も楽ですし、再生停止・曲送り/戻しなどのボタンもシンプルで使いやすいです。
サイズが小さくBluetoothのワイヤレス型ポータブルヘッドフォンアンプなので、携帯性も抜群。
この辺りは音質をグッと強化できる代わりに超巨大な本体を持ち運ばなければならない高級モデルのポタアンなどと比較すると、メリットと言えるでしょう。クリップ兼ケースもついているので、持ち運びも楽です。
PHA-50BTはBluetooth/ワイヤレス対応のポタアンとして秀逸
最大のメリットが「高音質なBluetoothレシーバーとして使える」という点です。まずは有線のヘッドフォン・イヤホンはAT-PHA50BTを導入することによってほとんどの機器をワイヤレス化可能ですし、Bluetooth接続といえどもSBC以外にもACCやAptXになどのコーデックにも対応しているとあって、無線接続を実現する中継機器としては「1万円弱」という価格を考えればハイレベル。
音質も「1万円弱のBluetoothポタアンでここまで聴けるの?」という印象を音楽プレーヤーとヘッドフォンの組み合わせ次第では感じるでしょうし、コスパを考えると利便性の方が勝るナイスな製品と感じました。
モバイル環境で高級オーディオ製品を揃えている方なら必要ないとは思いますが、Bluetoothの利便性を出しつつポタアンとしてもそれなりにしっかり機能することを考えると、「音質の良いBluetoothレシーバー」として、1万円弱で購入できるコスパは優れていると思います。
Audio-technica AT-PHA50PTのレビュー・まとめ
- エントリーモデルのDAPやスマホなど、音楽プレーヤーに不満があるなら試してみるべき
- Bluetoothの利便性が秀逸。AAC/AptX対応なので、ポタアンと言わないまでも「高音質のBluetoothレシーバー」として使えるよ。
オーディオ製品の入門として、「手軽にBluetooth化できる+一応ポタアンとして楽しめる」ということを考えると、意外にありなのかなと。ポタアンとしての魅力を感じ取れなかったとしてもAACやAptX対応でヘッドフォンジャックに挿すだけでワイヤレス化できるので、持っておいて損はないかと。音質目当てだけではない使い道があるので、使い回しの非常に良い製品であることは確かです。