【レビュー】FiiO X5 3rd、第三世代でAndroid DAP。操作性が…

FiiOと言えば中国系のオーディオブランドで、エントリーモデルからミッドレンジにかけてDAP(デジタル・オーディオ・プレーヤー)で人気のある製品がいくつかあり、今回レビューする「FiiO X5 3rd Generation」は2017年に第2四半期に発売されたDAPで、X5のラインとしては第3世代のモデルにあたります。

FiiOブランドではミッドレンジ、現在は3~4万円台で購入可能な価格ながら、Android OSを採用したことでWi-FiにつないでSpotify他アプリの音楽ストリーミングサービスが使えたり、DACチップに旭化成エレクトロニクスの「AK4490EN」が各チャネルごとに搭載(合計2基)、また最大32bit、5.6MまでのDSDをサポートしていたり、microSDカードを2枚挿しできたり(内臓ストレージは少ないですが)、2.5mm4極でのバランス出力に対応していたり、Quick Charge 3.0の急速充電をサポートしていたりと、価格に対してコスパの良さそうなのはその仕様から伝わってきます。

音質傾向は先代のFiiO X5 2nd Gen.から変わっている気もするので、そのあたりもずらずらと書いていきたいと思います。

【製品購入ページ:FiiO X5 3rd Gen



FiiO X5 3rd レビュー

今回レビューするのは、中国FiiOブランドのデジタル・オーディオ・プレーヤー「FiiO X5 3rd Generation(第3世代)」です。

製品名からもわかる通り、X5としては、初代X5、2代目のX5 2rdに続いての第三世代モデルとなっており、FiiOブランドの中ではX1、X3、そしてX7の間に入るようなモデルと言え、ミッドレンジの価格帯で販売されています。

個人的に好きなレッドカラーを購入。デザインはすごく良いですね。片手におさまりやすいサイズ感に抑えらていますし、ディスプレイ解像度もサイズ自体がそこまで大きくないので十分綺麗で、好印象。AK70なんかもOriental Redが出ていたりして、ミッドレンジのDAPは最近デザインでも気になる機種が多いです。

中国系ブランドではShangling M3sでも綺麗なレッドが出ていたりしますし、この辺りはSONYのWALKMANなんかもそこそこ買い易そうな価格でNW-ZX300がアッパーミッドレンジで出たことですし、A40シリーズよりも大人カジュアルというか、ガジェットカジュアルなカラーを出して欲しいところであります(開発の動画とかを見る限り、全然そんなカラーは出る気配がなさそうですが)。

FiiO X5 3rdはすでにAndroid OSを搭載していた「FiiO X7」の開発経験を得て、X5シリーズとしては初のAndroid OSが搭載されたのは大きなポイントです。つまりはWi-Fiに接続してのGoogle Playからのアプリダウンロードが可能で、例えばSpotifyやGoogle Play Musicなどを利用して音楽ストリーミング・サービスを楽しむことができますし、好きな音楽プレーヤーアプリも使えるのがメリット。

OSはAndroidがベースでそのまま使うこともできますが「Pure Musicモード」を搭載しているのも特徴で、切り替えれば他のアプリを制限して音質向上を狙った音楽プレーヤー専用モードとしても利用できます。

Android OSの操作性は特に多くのUIカスタマイズがあるわけでもないので使い勝手は悪くない…と言いたいところですが、プロセッサーは中国のRockchip RK3188(CPU-Z表示でなぜかRK3066)となっており、メインメモリも約1GBで、正直あまり快適とは言えません。

例えばWi-Fiでアプリをダウンロードしたり、アプリを使いながら音楽再生を行なっていたりすると、それなりにタイムラグというか、ガクガク感があります。ですので、Androidの機能がいらないということであれば、素直にPure Musicモードで利用した方が良いでしょう。

ディスプレイも約3.97インチでDAPとしては十分大きく綺麗な液晶ですが、Youtubeなど動画視聴するには向いていませんし、より大型の4.7インチのディスプレイかつ比較的Androidのままでも快適な操作を実現した「Pioneer XDP-300R」などと比較すると微妙なので、常時Android OSのUIで利用とのことなら、XDP-300Rをオススメしたいところです。もちろん、サイズは大きくなるので片手では扱いにくくなりますが。

では音楽再生に特化したPure Musicモードですが、こちらもUI的にはちょっと雑な気がします。Pure Musicモードでは「FiiO Music」アプリで利用ですが、見た目は個人的にPioneerやSONYウォークマンのそれの方が洗練されていると思いますし。ただAndroid OSを採用しているので、直接音楽ファイルを転送するのは楽だと思います。(ただし内臓ストレージはかなり少ないので、音楽ストリーミングメインでない限りは、microSDカードを利用することになるかと思います)。

本体の音楽設定でいうと、ハイゲイン – ローゲインの切り替え、ストレージの切り替え、ローパスのフィルター設定、アウトプットの切り替え、SPDIF outの設定、イコライザーの利用などが行えます。FiiO Music Appの「ViPER Effect」を利用すれば、有償/無償でできることもいくつか増えます。

またサイドの物理キーをロックする設定ON/OFFなどが可能です。物理キー操作面で言っておくと、FiiO X5 3rdの物理キーは、再生停止、曲送り戻し、電源キーの全てが軽く押して反応し過ぎるので、ポケットから取り出しただけで曲送りが行われてしまったりということが多々ありました、というかあります。

ケースをつけるとなおさら多くなるので、電源キー以外は常時OFFでも良いくらいです。全ボタン軽く押しただけで反応してしまうので、実用性を考えるとこれはどうなんだろうと、疑問もあります。ソフトウェアも含めて、しばらく発売から期間が経過していますが、操作性は個人的に…な印象。

Qualcommの急速充電「Quick Charge 3.0」をサポートしているのは良いですね。Androidモードで利用しているとお世辞にも電池持ちが良いとは言えませんが、対応ACアダプターで急速充電時には約90分程度で満充電。

アプトプットは3.5mmステレオヘッドフォンジャック、2.4mmバランスヘッドフォンジャック、アナログライン、デジタル同軸(ライン兼用)。

(microSDカード取り出し用ピンも付属します)

またFiiO X5 3rd Genではすでにアップデートにより付属USBケーブルでWindows PCやMacと接続してD/Aコンバーターとして利用できる「USB DACモード」も使えるようになる予定です。こちらもPCで手軽に良いDACを通して音楽を聞きたい時に便利(PC側にソフトウェアのインストールが必要です)。

内部スペックはすでに説明した通りで、DACにAK4490EN×2、ローパスフィルターにOPA1642×2、アンプICにカスタムのOPA426×2を搭載。

出力は3.5mmヘッドフォンジャックで>480mW(16Ω) / >250mW(32Ω) / >28mW(300Ω、2.5mm4極バランス時で>400mW(16Ω) / >240mW(32Ω) / >26mW(300Ω)、など、ミッドレンジのDAPとしてはバランス出力に対応しつつ、パワーもあるモデルということになるかと思います。詳細スペック表は公式サイトを参照。

…しばらく利用していますが、正直AndroidのUIモードでは遅く、Spotifyのローカル保存時はデータ保存領域がとても少ないですし(OSのせいかアプリ内のデータ保存とする場合は本体ストレージでなぜか1GB弱しか容量がなく、ローカルファイルとして保存しているオフライン再生用のデータがすぐに満タンになってしまいます。これは保存場所をmicroSDカードに変更することで解消されましたが、ストリーミング系のサービスを使いたいというユーザーには非常にわかりにくい仕様に感じます)、本体の物理キーも反応し過ぎです。

こういった気になることがたくさんあり過ぎるので、パイオニアのXDP-300Rを利用時と比較すると、あまりAndroidモードでは使いたいとは思えないです。…ViPER Effectのイコライザー機能も画面からはみ出すギリギリについていたりして、音質意外のソフトウェア・ハードウェア仕様で高評価はとてもできないDAPな気が。

音質傾向など

パワーがあるのでポータブル環境でもこれ一つである程度駆動ができてしまうという良さがまず1つ。…FiiOというとガンガン押し出すパワフルなイメージがX5 2ndの時にはありましたが、3rdでは終始無表情で鳴らすといった印象で、なんというか、楽しさや明るさといったものが少し薄めなのかなあという感触です。2.5mmバランス出力だとノイズは普通に聞こえちゃいますね。最近PCからPHA-3を通して聴いていたりしたので、余計に感じます。多ドラだとちょいちょい感じますね、なんでしょう。手持ちのイヤホンで解像感を2.5mm4極で楽しみたい時に色々気になることがあって、結局3.5mmアンバランスで聴くことの方が今は多いです。

その鳴らし方の傾向からか、全体的に立体感にかけるのも少し気になります。硬質な音作りならそこは粒の良さがもう少し感じても良いかなと思うところがあるのですが、全体的に平坦な感覚を覚えるのも気になりますね。X5 2ndからの鳴らし方の違いはかなりあるのですが、面白みは少し薄れたような気もしており、ある意味ではバランスをとった音作りになったのかなという気持ちもありますが。

Android DAPとしては…

サイズ感も外出用のメインDAPとしては小さく持ち運び易さと言った部分も期待していたのですが、ボタンの反応が良すぎるので手に持った時の誤操作も多いですし、物理ボタンはON/OFFが設定から可能ですが、OFFにしたらしたでそれはまた使いにくさがあるわけで。恐る恐るポケットから取り出すのが少し馬鹿らしいというか、気になって店頭で別機種を触ってみたりもしたのですが、同じだったのでどうなのかなという感じです。

この価格帯で搭載されているスペックや音作り、2.5mm4極バランスに対応している点などはやはりFiiOすごいと思う部分があるのですが、個人的には操作性がいまいちな気がしているので、Android DAPとしては個人的にPioneer XDP-300Rの方が使い易いかなといいう気持ち。これらのAndroid DAPと比較すると、その内部仕様からか動作はモッサリしていますし、特に音楽ストリーミング系サービスをAndroidモードで利用する時にはストレスがたまります。

FiiOのミュージックアプリも(これは完全に主観ですが)あまり操作性が良いとは感じないので、Android非搭載でDAP単体モードのみのプレーヤーで良いかなと思うところもありますし、スマホからのアップグレードでミッドレンジのDAPを考えている方はどうせプレーヤーも持ち運ぶならポタアンへのデジタル接続でも良いのかなという印象です。「単体で色々鳴らせるコスパの高いDAP」としてX5 3rd Genはかなり期待していたこともあったのですが、使っているうちに音質以外のところで粗が見つかりすぎるかなというところもあるので、単純にAndroid搭載のDAPとしてオススメするかと言われると、それはそれで微妙な気持ちもあるわけです。

個人的な話をすると、最近SONYの新ウォークマン「NW-ZX300」を購入して、まだレビューはしていないですが結構気に入っています。4.4mm5極のバランス出力というのは既存リケーブルの豊富さを見るとまだFiiO X5 3rdに搭載されている2.5mm4極の方が汎用性のメリットというのがありそうですが、すでに書いた通りどうもX5 3rdのバランス出力が安定感がない気がしており、実はZX300はすでにUSB DACモードをサポートしていたりするので自宅ではもうZX300しか使ってないですし、BluetoothでもLDACだけでなくアップデートによってaptX HDにすでに対応していたりと、様々な面をみても外出用のメインDAPとしてFiiO X5 3rdに戻ることはなさそうだなという現状。ZX300も室内ではPCに繋いでUSB DACで利用できる以上Android OSを搭載しているメリットも正直最近は感じないですし、2.5mm4極バランスを外出先で試したいとかいうことではない限り(これもおそらく別DAPを利用するだろうし)、2018年は出番無しな可能性が高いです。

【購入:FiiO X5 3rd Generation