【レビュー】FiiO Q1 Mark II。ポタアンエントリーモデルの新星、現る

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新発売したFiiOのポータブルDACアンプ・エントリーモデル「FiiO Q1 Mark II」を購入したので、実機レビューをしてみたいと思います。

FiiOといえば中国のオーディオブランドで、最近はDAPを中心に人気のあるメーカー。DAPの方は音量ノブ操作が軽すぎるので買っては変えて、を繰り返していたりするのですが、ポタアンのほうは個人的に好きだったりします。

今回レビューするFiiO Q1 Mark IIは製品名を見てもわかる通り、以前発売された初代Q1の後継モデルという立ち位置で、スペックの向上に加えてMFi認証ありでLightning直結のケーブルも付属したり、2.5mm4極のバランス接続端子を搭載していたりと、低価格ながらサイズ感と共にかなり扱い易いポータブルヘッドフォンアンプになっているのが特徴。

今回はMojoが据え置きでもいけそうということでポータブル用途に購入してしばらく経ったので、感じたことなどメモしておきます。



FiiO Q1 Mark II 購入レビュー

今回レビューするのは中国FiiOブランドのポータブルDACアンプ「FiiO Q1 Mark II」です。初代にQ1がありましたが、そちらの後継機という位置付けですね。

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新モデルのMK2では筐体やデザイン・内部仕様も一新されており、全く別物に仕上がっています。

大きな違いでいうと、基本スペックの向上だけでなく小型サイズに抑え、2.5mmバランス出力用端子も搭載したあたりでしょうか。ギャングエラーを解消するための電子ボリューム方式採用など、まあ色々あります。

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初代ではApple製品と接続するために別途カメラアダプターが必要だったのですが、今回のMK2では、Lightning直結のUSBケーブルが付属します。MFi認証済み製品なので「ぜひiPhoneと合わせて使ってください」と言わんばかりのポタアンでもありますね。

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ポーチも付属。

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付属品も充実しており、Lightning直結ケーブル、USB micro B – USB Aケーブルのほかに、プレーヤーと重ねる用のシリコンバンドが数種類付属します(それぞれ若干サイズが異なります)。

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こちらも重ねる用のアクセサリー。シリコンシートですね。FiiO Q1 Mark IIはゴム足などもないので、この辺りもポータブル特化で使って欲しいのかなと勘ぐってしまいます。まあポータブルのDACアンプなので、当然といえば当然なのですが。

スペック・主な基本仕様

入力はmicro USBポートからのデジタルか、LINE INでのアナログ。

出力は3.5mmのアンバランス端子、2.5mm4極のバランス用端子、そしてLINE OUTでUSB DACとして使う方法など。

すでに紹介した通り本体サイズはかなりコンパクトで軽いので、当然ポータブルでの利用を想定しているのでしょうね。

推奨インピーダンスは3.5mmアンバランスで16~100Ω、2.5mmバランスで16~150Ωとのことです。電池持ちもUSB INで最大10時間となかなか良く、発熱も少ないですね。音源は最大384kHz / 32bitのPCMデータおよび11.2MHzのDSDデータ再生に対応します。

DACチップは旭化成エレクトロニクスの「AK4452」。ヘッドフォンアンプ回路は実はX7 Mark IIの「AM3Aアンプモジュール」で採用されているものと同一だそうで、オーディオ回路部に「OPA926」、ライン出力のローパスフィルタ部にはTexas Instrumentsの「OPA1662」を採用しているとのこと。

汎用

製品名 Q1 Mark II (FQ1222) 本体色 Black
重量 About 101g 寸法 About 99mm x 59mm x 12.5mm
入力 Micro USB/3.5 mm Jack ヘッドホン出力 3.5 mm stereo jack
バランスヘッドホン出力 対応 (2.5mm balanced headphone jack) 推奨インピーダンス 16~100Ω(ヘッドホン出力)16~150Ω(バランスヘッドホン出力)
Bass Boost機能 0/5.4dB 左右誤差 0.2 dB以内
推奨ACアダプター出力 DC5V 2A バッテリー容量 1800mAh
充電時間 ≤4h 連続再生可能時間 >20h(AUX IN)>10h(USB IN)
USB DAC機能 Up to 384kHz/32bit, DSD256

ライン出力

全高調波歪率+ノイズ <0.003% (1 kHz/10kΩ) S/N比 ≥110 dB (A-weighted)
周波数特性 6 Hz~80 kHz(-3dB) チャンネルセパレーション >90 dB (1 kHz)

ヘッドホン出力 (3.5mm headphone out jack)

16Ω時 ≥112 mW(THD+N<1%) 出力インピーダンス <1.2Ω (32Ω loaded)
32Ω時 ≥75mW(THD+N<1%) チャンネルセパレーション ≥79 dB (1 kHz,AUX IN)
300Ω時 ≥11 mW(THD+N<1%) 全高調波歪率+ノイズ <0.002% (1 kHz, AUX IN)
<0.003% (1 kHz, USB IN)
周波数特性 5 Hz~55 kHz(-3dB) 最大出力電圧 >4.4 Vp-p
S/N比 ≥116 dB (A-weighted, AUX IN)
≥109 dB (A-weighted, USB IN)
最大出力電流 150mA (For reference)
ゲイン -2.5dB (G=L)
3.2dB (G=H)
最大入力レベル 3.4V

バランスヘッドホン出力 (2.5mm TRRS headphone out jack)

16Ω時 ≥240 mW(16Ω / THD+N<1%) 出力インピーダンス <2Ω (32Ω loaded)
32Ω時 ≥220 mW(32Ω /THD+N<1%) チャンネルセパレーション ≥93 dB (1 kHz,AUX IN)
300Ω時 ≥45 mW(300Ω / THD+N<1%) 全高調波歪率+ノイズ <0.002% (1 kHz, AUX IN)
≤ 0.003% (1 kHz, USB IN)
周波数特性 6 Hz~80kHz(-3dB) 最大出力電圧 >7.4 Vp-p
S/N比 ≥115 dB (A-weighted, AUX IN)
≥109 dB (A-weighted, USB IN)
最大出力電流 150 mA (For reference)
ゲイン 3.2dB (G=L)
9.1dB (G=H)
最大入力レベル 3.4 Vrms

FiiO製品の開発時期や発売時期というのはそこまで追っていないのでなんとも言えませんが、例えばFiiO X7の開発を生かしてX5シリーズでも3rd GenでAndroid OSのDAPが登場したように、過去の開発やノウハウから、エントリーモデルのQ1 MK2でも活かされている部分はあるのでしょうね、おそらく。

Lightning直結ケーブル付属(MFi)で、iOS端末(iPhone/iPad)とデジタル接続が簡単

FiiO Q1 MK2の良いところは、やはりiOS端末とのデジタル接続が簡単な点でしょう。

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(Lightning – USB micro Bケーブルが付属するので、カメラアダプターなしでiPhoneに直結できる使い易さ)

付属品にUSB micro B to Lightningケーブルがあるので、この短尺付属ケーブルを利用して、Lightning端子を採用した最近のiPhoneやiPadと直接デジタル接続ができます。

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(iPhone Xに繋いでみた外観。結構小さいので、扱いやすいです。)

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(ケーブルはかなり柔らかい素材が採用されており、この辺りもポケットに入れて使ったりといったことも想定しているのだと思います。多分。)

Apple MFi認証済みで、iOS端末で安心して使えるのもポイント。本体サイズもかなり小さいですし束ねる用のシリコンバンドも付属するので、FiiOとしてはiPhoneからデジタル転送して、ポータブル用途で使ってくださいね、といったところなのでしょう。それだけiOS端末との親和性が良く、そこを重視している製品だと思います。

Android端末は、別途OTGケーブルなどが必要

付属ケーブルはLightning用が1つと、もう一つがUSB micro B – USB Aのケーブルです。

ですので、Android端末との接続には、USB micro B to USB Type-Cケーブルや、変換ケーブルが必要になってきます。

普段からAndroid端末と接続している方はケーブルを持っている可能性もありますが、付属品的にはどちらかといえばApple製品での利用にフォーカスしている感じはありますね。

PC(パソコン)との接続は、付属USBケーブルで

FiiO Q1 Mark IIにはUSB micro B to USB Aのケーブルが付属するので、PCと接続してDACアンプとしても使えます。

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(充電兼PC接続などに使えるUSB micro B – USB Aケーブルも付属。USB Aポートを搭載しているPCであれば、基本的にはこれで接続できるかと思います)

利用しているMacbook Pro、WIndows 10搭載のパソコンなどで接続してみましたが、問題なく接続できているようですね。USB Aポートを搭載したパソコンなら、付属品のみで接続できるのは良いところです。

LINE IN/OUT端子も

FiiOといえばDAPで「ラインIN/OUTが良い」という評判がいくつかありますが、今回のQ1 MK2もライン入力/出力端子を搭載しています。

LINE IN(入力)で利用する場合はアナログのポータブルアンプとして、LINE OUT(出力)として使う場合にはUSB DACとして活用し、外部Ampに接続したり…。

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(LINE IN/OUT用の3.5mオーディオケーブル。両方L字ですね。)

3.5mm to 3.5mmの短尺オーディオケーブル(両方L字)も付属するので、これを使ってそのまま接続できます。もともとお気に入りの製品を持っている方はポータブル用途でアナログアンプとして使ったりできるので、これまた楽しめたりします。

組み合わせによって色々な違いを楽しめる点は良いですよね。個人的にはiPhone Xと合わせて使うのがメインで多くの機器を重ねて持ち歩きたくもないので、あまり出番はないですが。

ギャングエラーの解消する構造など

FiiO Q1 MKIIでは、ギャングエラーを解消するために、アナログ信号をデジタル的に検知して正確に再構成する電子ボリューム方式が採用されているそうです。これで左右チャネルの音量問題や音量調整時ノイズを回避しているとのこと。

感じにくいところなのかなという気はしますが、今のところギャングエラーぽい挙動は感じないので、つまりそういうことなのだと思います。

ボリュームノブについて

FiiO製品は特にDAPでボリュームノブ操作が軽すぎるのがあまり好きでなかったりするのですが、FiiO Q1 Mark IIの場合は、スムーズに音量調整が可能かつ、ある程度硬さもあるので、個人的には好きだったりします。

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(ボリュームノブは適度に硬いので、ポケットから取り出すときに間違って爆音になったりする心配がありません。)

特にポケットにいれている時ですね。FiiO X5 3rd Genなんかだとロックしておかないと取り出した時にしょっちゅう音量が変わって困ったなんてこともありましたが、Q1 MK2の場合には基本そういうことはないです。

ハイゲイン/ローゲインの切り替えと、BASSスイッチ

USB INポートの左右に、ゲインの切り替えスイッチと、BASSスイッチが搭載されています。

ゲインはHighとLowの2種類で、駆動力の必要なヘッドフォンなんかにはハイゲインでいけるかと思います。ただスペック的にも聴いてみた感じもsennheiser HD650はさすがに厳しいなあという気がしており、 AKG 7xxくらいなら十分楽しめるかなあという印象。

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(印字はもう少し見やすい方が良いかも。少し暗い場所だとどちらがゲインスイッチかBASSスイッチがわからなくなるので。)

BASSスイッチも個人的に好きで、まあ理由はいくつかあるのですが利用しているChord Mojoがシンプルすぎる機能のDACアンプということもあってたまに「BASSスイッチとかあったらなー」と思っていました。

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(BASSスイッチONでも、嫌味がない低域の増し具合です。迫力はあるんですけどね。かなりうまく作ってるな、と。)

Q1 MK2のBASSスイッチはONにするとグッと低域を持ち上げてくれますが、嫌味はないです。最近のEDM、ポップミュージックに合わせたチューニングなのかなという気もしますが、ロックなんかも楽しいですね。

手持ちでJH Audio × Astell&KernのROSIEなんかはケーブルに低域調整機能が付いていたりしますが、個人的にはQ1 Mark IIのアンプ側でBASSスイッチで低域調整をかけた方が心地よく聴けたりします。Mojoくらいシンプルな機能性のDACアンプを使ってると流石にBASSスイッチが欲しくなったりはするので、あったら使ったりするんですよね。個人的にこのBASSスイッチのチューニングというかそれは好きです。

…ちなみにデジタルフィルター的な機能はないのですが、これだけ安くてコンパクト、それも2.5mmバランス用端子を搭載しているなら、別になくていいなという気持ちです。

充電と電池持ち

USB INで公称最大10時間駆動ですが、iPhone Xと接続してきいてみたところ、だいたいこのくらい持ちますね。終日使っても問題ないと思います。発熱も少ないのが嬉しいところで、安心して使えます(Mojoは「発熱するもんだ」とメーカーが謳ってはいますが、やはりMojoレベルに発熱があると怖かったりするものです)。

充電時間も公称4時間で実使用でもだいたい同じくらいだと思うのですが。4時間くらい充電したら8~9時間ぐらいは駆動できる印象なので、そんな感じだと思います。

毎日外で使っても問題なさそうな電池持ちがあるので、寝ている間に充電しておけば問題ないと思います。

充電用ポートとUSB INのポートが共通なのですが、iPhoneとのLightning直結時にはQ1 MK2に給電しないようになっています。これはQ1 MK2の電池持ちが良いので、iPhoneから給電せずにスマホの電池持ちを確保してくれるのは個人的に好都合。

ポタアンの電源が切れるのは良いですが、スマホの電源が切れたらそれこそ何もできませんからね…。

2.5mm4極のバランス出力端子搭載

1万円弱の価格ながら、2.5mm4極のバランス出力用端子を搭載しているのも特徴かと思います。初代Q1はこれに対応していなかったはずですし、他社製品をみてもこれだけコンパクトな筐体と価格に抑えてのバランス端子搭載は、FiiOすげえなと思っている人も意外と多いんじゃないかと思いますね。個人的には思いました。

2.5mmバランス端子もいくつかのイヤホンで試してみましたが、JH Audio ROSIEの付属バランス用ケーブルで接続した時に、ローゲイン設定でも少しノイズが気になったくらいですかね。アンバランスの時は問題なかったので不思議なもんです。

マルチBAや低インピーダンスのIEMとかは、一回組み合わせて視聴した方が良いかもしれませんね。まあこれもあくまで個人的な意見なのですが、ノイズに敏感なイヤホンだけは3.5mmアンバランスで使っていたりします。

音質傾向など

IEMイヤホンのいくつかで聴いていますが、この価格帯ではかなり良いんじゃないかと思います。極端に荒いマルチBAとかノイズが入り易い敏感イヤホンを除けば、問題なくならせている気がしますよね。

そこのラインを超えるとChord MojoとかiFi AudioのiFi nano iDSD Black Labelなどに強みがあったりするわけですが、これに関してはまず価格帯が違うところが1点、あとはFiiO Q1 MKIIが非常にコンパクトで、付属Lightning直結ケーブルがあってiPhoneとの使い易さなどを考慮すれば、ポータブル用途としての総合力は非常に高いんじゃないかと。

1万円台と考えると解像度は十分で、かといって高域のキツさはそこまでなかったりするので、スムーズに抜けていきます。音質面でもFiiO X5 3rd Genより個人的には好みで、濃厚な部分と引く部分の加減が上手いというか、コンパクトなサイズ感ながらポータブルアンプを通した時のパワフルな感覚も持ち合わせているのは良いところ。

高域がキツめのIEMがちょびっとまろやかになるので、これは素直に荒く高域を音出ししてくれるポタアンやDAPと比較すると、意見が分かれそうな気がします。良くも悪くも「聴きやすい」んですよね。多分中域の聴きやすさもあるんだと思います。

低域もBASSスイッチOFFで適度な厚みはあり、このままでも十分な量感があります。BASSスイッチをONにすると100Hz以下のところで持ち上がりを感じるのですが、これもすでにいった通りしつこい低域の持ち上げ方ではないので、EDM・POP・ROCKと楽しめるかと思いますね。

ヘッドフォンではsennheiser HD650、Beyerbynamic T90、AKG 7xx(Massdropモデル)を試してみました。HD650(300Ω)やT90(250Ω)は音量はそれなりに取れますが、しっかり駆動できているかというと少し微妙なところです。AKG 7xxクラスだと十分楽しめる印象ですが、それなりにパワーが必要な開放型ヘッドフォンはMojo、iFi nano iDSD Black Label、xDuoo XD-05あたりからかなあという気がしています。

ただこれらはポータブルアンプではありますがポータブル性のみで考えると圧倒的にFiiO Q1 Mark IIのほうが小さくて良かったりするので、1万円台でこれだけの音質とコンパクトを実現した部分が、新モデルのFiiO Q1 Mark IIで目指したところというか、そういう風に勝手に想像しています。

FiiO Q1 MK2をしばらく使ってみての所感など

FiiO Q1 Mark IIはよりポータブル利用に特化した仕様が好印象です。FiiOで評判の良いLINE IN/OUTは搭載しつつ、他の入力はUSB INのみでiPhoneやAndroidスマホ、DAPとの外利用に絞って小型化しているというか。

かといって2.5mmバランス出力用端子やBASSスイッチは搭載していたりと欲しいところはしっかり入れているところも良いですし。…これだけ小さくするにも結構な努力だと思うのですが、音・サイズに対しての価格を考えると、エントリーモデルのポータブルDACアンプしてはこれからかなり売れるんじゃないかと予想してます(エントリーモデルのポタアンでは Q1 MK2、ミッドレンジのDAPはSONY NW-ZX300が2018年は結構売れるんじゃないかと勝手に予想してます)。とにかく扱いやすいです。

面白いのが、発売当初から売り切れ & 入荷待ちが続いているんですよね。在庫が少ないだけなのか、爆売れしているのかどちらかはわかりませんが、実際に使ってみるとポータブル利用でのFiiO Q1 MK2の良さというのは感じる人が多いと思いますよ。

購入:FiiO Q1 Mark II ポータブル・ヘッドフォンDACアンプ