【レビュー】Chord「Mojo」人気ポタアンを試す

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Chord Electronics社といえばイギリスに本拠点を置くオーディオブランドですが、今回はそのChord Electronics社のD/Aコンバーター内臓ポータブルアンプ「Mojo」をレビューしていきます。

Mojoといえば日本でも発売されたポータブルのDACアンプで、その性能と価格で話題になった製品かと思います。現在は新品でも5万円台で購入できるようになっているので、感度の高いIEMイヤホンからハイインピーダンスのヘッドフォンまで小型で鳴らせる小型DACアンプとは思えない性能で(多分)人気を集めているのだと思います。

最近ではこのMojoにワイヤレスのネットワークプレーヤーとmicroSDカードプレーヤーの機能を持たせる「Poly」という製品も発売され、拡張性も増しました。

今回はPCやポータブルでの運用をしばらく使ってみて、感じたことなどをメモしておきます。



Chord「Mojo」レビュー

今回はChord Electronicsから発売されている「 Mojo」の購入レビューです。しばらく使っていたのですがなかなか記事を書く機会もなかったのと、いろんな機器で慣らしてからある程度傾向など感じとった上で書いていこうということで、やっと書きます。

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Chord社はイギリスに本拠地をおくオーディオブランドで、DACアンプでは「Hugo / Hugo 2」などが有名ですね。中には「DAVE」という目を疑う値段のDACアンプもありますが、今回レビューする「Mojo」は、よりポータブル性も重視した、Chordブランドの中ではエントリーモデルのDACアンプという位置付けかと思います。

ちなみにMojoの名称は「Mobile Joy」からきているそうです。

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本体サイズは82×60×22mm、重量は180gとまさにポータブル性を重視した製品で、当然DACアンプなので、iPhoneやAndroidスマートフォン、DAP、PCなどと接続してより良い環境で音楽視聴などが楽しめる製品です。付属品はmicroUSBケーブルのみなので、例えばiPhone/iPadで利用するときはカメラアダプターを別途用意したり、といったことが必要になってきます。

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接続はUSBデジタル(LightningやWM PORTデジタル含む)、光デジタル、同軸(COAXIAL)デジタルなどに対応。カメラアダプターを用意してiPhoneにつないだり、microB – microBのUSB OTGケーブルでAstell&Kern AK70とつないだり、OPTICALケーブルでDAPにつないだり、エントリーモデルウォークマンにWP PORT変換ケーブルをかませて良い音質で聞いたり、同軸でつないだり、接続方法も多いので、それだけ組み合わせは楽しめます。

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Mojoの筐体はアルミニウムに包まれており、パワーボタンとボリュームボタンの LEDで、音量や音源のサンプリングレートを教えてくれます。これがまた独特な遊び心のあるデザインです。

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(電源ボタンは、LEDでサンプリングレートの表示も兼ねている)

充電用・デジタル入力用のUSB micro-B 端子は別々に搭載されているので、例えばモバイルバッテリーから充電しつつ、デジタル接続でiPhoneやDAPにつなぐこともできるようになっています。バッテリー容量が約1,650mAh、充電時間は約5時間、駆動時間が8時間で意外ときついので、遠出をする際にはモバイルバッテリーが個人的には必須ですね。

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(充電用とデジタル接続用のmicroUSBポートは別搭載)

出力端子は3.5mmのヘッドフォンジャックで、実は2つ搭載されています。つまりは両方使えば2つのヘッドフォンやイヤホンで使えるのですが、個人的に必要ないです。2.5mm4極のバランス端子などが搭載されていればよかったのですが、 3.5mmのアンバランス出力で聴いても音は良いと感じるので、まあいらないかなと思うところもあります。

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(個人的な使用では、出番なし)

ゲインスイッチなどもなく、他のポータブルアンプではたまに見るBASSスイッチやデジタルフィルター切替といった機能もないので、Chord Mojoはある意味ではシンプルなDACアンプです。Mojoでは独自のフィルタ処理などを行うために汎用DACではなくFPGAを使っての独自アルゴリズムを採用しているので、そのあたりも関係しているかもしれません。

スペック・主な仕様など

品名 Mojo ブラック
カラー ブラック
ボディ 航空機グレードアルミニウム
オーディオ 出力レベル 35mW @ 600Ω
720mW @ 8Ω
出力インピーダンス 0.075Ω
ダイナミックレンジ 125dB
THD+N 0.00017% @3V
入力 オプティカルTOSlink x 1 (最大192kHz / 24bit)
コアキシャル(3.5㎜)x 1 (最大768kHz /32bit)
MicroUSB x 1 (最大768kHz/32bit)
MicroUSB (充電用)x1
出力 ヘッドホンジャック(3.5㎜)x 2
ラインアウトモード出力 3V
ボリューム調節 96ステップ(1dB 刻み)
電源 バッテリー 内蔵 リチウムポリマーバッテリー (1,650 mAh 7.4V)
充電時間 約5時間 (5V/1A USB-AC使用)
駆動時間 約8時間
サイズ(W×H×D) 約82㎜ x 60mm x 22mm
重  量 約180g
同梱物 MicroUSBケーブル(充電用)・クイックガイド / 保証書
JAN 4549325021124
型番 MOJO-BLK

Mojoの基本仕様はこんな感じですが、一応低インピーダンスで感度高めのIEMから高インピーダンスで慣らしにくいヘッドフォンまで駆動いけますよ、といったポータブルDACアンプです。ポータブル向けに開発された製品かとは思いますが、デスクで場所を取らないので高音質化のDAC兼アンプとして据え置きでPCなどとつないでいる人も意外と多いんじゃないかと思います。PCM 768kHz/32bit、DSD256(11.2MHz/1bit)のネイティブ再生対応。

これだけ鳴らせるなら、というところで、Hugo / Hugo 2がまた別の価格帯というところもあって、そういった意味ではサイズ的にも価格的にも、手の出しやすいDACアンプなのかなという部分も感じますね。

MojoをDACアンプとして使って、良いところなど

  • ヘッドフォンからIEMイヤホンまで幅広くいける
  • 圧倒的ノイズの少なさ
  • ポータブル性

Mojoの良いところといえば、まずはこれだけ小型な筐体のポータブルDACアンプに仕上げながら、低インピーダンスやマルチBAのIEMイヤホンからそこそこ駆動力の必要とするヘッドフォンまで、きっちり鳴らせる性能かと思います。

今回はイヤホンで手持ちのAstell&Kern JH-Audio THE SIREN SERIES RosieSONY XBA-N3、試聴機でSHURE SE846などを聴いてみましたが、低インピーダンスでノイズに敏感と言われるIEMでもノイズを気にせず聴けます。Pioneer XDP-300Rのレビューの時にも書いたのですが、エントリーモデルからミッドレンジモデルのDAPで気になっていた、ある程度のDAPやポータブルDACアンプでないといわゆる扱いづらいイヤホンもガンガン鳴らせるので、ここはMojoの魅力かと思いますね。イヤホンによっては音量でぶっ飛ぶ可能性があるので、音量調整はLEDライトの色も若干わかりにくいところがありますし気をつけたほうが良いと思います。(個人的な使い方でいうと、毎回音量を一番下まで下げてからイヤホン挿してます)

追記:最近Noble Audio Savanna(Thin Cableが付属する新しいほう)を買ったのですが、Mojoとすごく相性が良いですね。SavannaはROSIEと違ってスマホでもある程度鳴らせてしまうのが面白いなとは思うのですが、Mojoを挟んだ時の音は段違いです。

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ヘッドフォンではSennheiser HD650を慣らしてみましたが、しっかり駆動できているような気がします。Mojoの慣らし方というのは独特ですごく丁寧な気がしていて、かといって高域で解像度重視な慣らし方をするヘッドフォンは割とまろやかにせずそのまま出てくるというか、しかしながらイヤホンでもヘッドフォンでもMojoつないでる感が分かりやすいという点も不思議なところなのですが。

そんなこんなで、今度はbeyerdynamic T90と繋いでみると、高域でキツめな部分がそのままがっつり出てきたりもします。ここはほんの少し暖色系のヘッドフォンの方がMojoには合うなあと感じるところで、そういった意味ではSennheiser HD650は個人的に相性が良いと思いますし、 ポータブルのヘッドフォンではBowers & Wilkins P7やSennheiser HD25なんかも合うんじゃないかと感じます。低域に量感が多めで落ち着いたヘッドフォンと合わせるのは個人的に好みかもしれません。

これだけイヤホンもヘッドフォンも鳴らせてコンパクトで現在は5万円台ということで、それはロングセラーにもなりそうだよね、という気持ちです。後継モデルがポータプルのDACアンプとしてでない限りはこれからも売れるんだろうな、という気がしていますね。もちろん、Mojo感が好きなら、というところはあるのですが。

微妙なところ

  • 持ち運び時のケーブル
  • 充電時間

Chord Mojoを使っていての不満点もいくつか。

まずはケーブルですかね。特にiPhoneと接続するときはカメラアダプターを利用するので、意外とこのサイズ感でもポケットに入れて使いにくかったりはします。それはケーブルのせいだけではなく、LEDで光るボタンはDAPやスマホと組み合わせた時にボリュームノブのように調整が楽な感じもしないので、持ち運びの際に電車内で音量を調整したり、といったところは意外と苦戦するような気もします。

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(Lightningに直結できるケーブルが付属していれば嬉しかった。ただ様々な機器に接続することを想定しているでしょうから、この辺りはしょうがないのかなと思ったりも)

ケーブルの部分は別途ケーブルセットやその他汎用品を購入すれば解決するような気もしますが、Lightingケーブルに直結できるものがMojoに付属して入ればなあ、と。ちなみに最近購入したFiiO Q1 MKIIに付属のLightning – USB microB直結ケーブルを使えればと思って挿してみましたが、音出ませんでしたね。現在はiPhone用ではカメラアダプターを利用していますが、他のケーブルを買うかも悩むところです。繋いでみるまで音が出るかは分かりませんからね。

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(持ち運ぶにはLightning直結のケーブルが付属したポタアンの方が使いやすかったりします。画像はFiiO Q1 MKII)

あとは充電時間でしょうか。公称スペックでは5時間なのですが、特に外出先でACアダプターを1つしか持ち歩いていない時には結構きつくて、例えばiPhoneを充電してたら朝までにMojoをフル充電する時間がなかったりしますし。こういった部分は、iPhoneとの接続で使うことに限ってはApple MFi認証取得済みで急速充電にも対応しているOPPO HA-2SE(確かHA-2SEは生産終了になってた気が)の方が扱いやすいんだと思います。もちろん音質のところは別問題なのですが。

そういった煩わしさから、外出先で利用する時には扱いやすいFiiO Q1 MKIIをたまに持ち運んだりしてます。ただしこれだと現在使っているROSIEにノイズが乗ったりするので(2.5mm4極バランス出力で特に顕著)、音質面ではすでにMojoに満足しているところもあって、いかにこういった細かい問題をポータブル利用の時に潰していけるかというのが個人的な今の課題になっていたりします。

Mojo、良いです

幅広い機器が鳴らせる駆動力、ノイズの少なさや音質面では文句なしで、価格が下がっていることもあって激しくおすすめします。RosieやSE846とも相性が良いというところで、感度高めのIEM・マルチBA機にもおすすめしたいです。HD650もいけましたし、これで今は5万円台かあなるほどなあ、という恐ろしいコスパのポータブルDACアンプであることは多分間違いないです。

そのパワーから自宅に据え置きとしてヘッドフォン用途にもバリバリ使えるのですが、やはりポータブル利用を考えた時に使い勝手の良さをどれだけ工夫して改善できるかというのがポイントになってくるのではないでしょうか。利便性だけ考えれば個人的にはFiiO Q1 MKIIやOPPO HA-2SEの方が扱いやすいわけで、音としてはMojoでGoなのですが、毎日持ち運んで使う、という方は意外と扱い易さも兼ねて別のポータブルアンプやDAPにいく場合もあるかもしれないことは付け加えておきます。